ラタキアの戦線拡大は是か非か?
シリアの反政府軍がラタキアに進撃している件について、情報を探してみました。globalpost.comから引用します。
政府軍は月曜日までに、バイト・アル・シャクヒ村(Beit al-Shakuhi)を奪還しました。シリアの反乱は国内多数派のスンニ派が占めていますが、ラタキアと近郊のタートス(Tartus.kmzファイルはこちら)はアサド派のアラウィ派が占めています。
人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」の理事、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は、過去2日間の戦闘は激戦だったと言いました。「政府軍と国家防衛隊(the National Defence Force)とバース隊(the Baath battalions )の政府派民兵は、反政府軍を撃退するために増援を送っています」「戦闘はラタキア北部のジャバル・アル・アクラッド地域(Jabal al-Akrad)に集中し、反政府軍はジャバル・トルクマン(Jabal Turkman)へ前進しようとしています。これらの地域はスンニ派とアラウィ派が混在しており、とりわけ、派閥紛争を避けることをほとんど不可能にします」とラーマンは警告します。
アラウィ派はシーア派の分派であり、アサドはカルダハ(Qardaha)のラタキア出身です。ラタキアの反政府派活動家は、反政府軍は支配下にある孤立地帯がすでに近くの村から砲撃を受けているので、沿岸の州で新しい戦線を開くことにしたと言いました。オマル・アル・ジェブラウィ(Omar al-Jeblawi)はインターネットを通じて「政府軍の支配地域から村の民間人を砲撃する発射台として使われている地域を開放するための戦いがあります」と言いました。「士気は旺盛です」と彼は言い、シリア沿岸での進展は、我々の地域のためだけでなく、シリア全体のために重要だと付け加えました。ジェブラウィは、主流派、地元の反政府グループ、イスラム過激派を含む、いくつかの反政府部隊は戦闘に参加していると言いました。
しかし、セマ・ナーサー(Sema Nassar)のようなラタキアに拠点を置く別の活動家は、現時点で戦線を開くことに反対しています。反政府軍は「十分な武器があると感じるとすぐに、準備もなく戦いを拡大する癖があります。しかし、彼らは準備ができていません。そして、政権の反応は猛烈なものになります」。ナーサーは、反政府軍はアラウィ派の聖職者、バドル・ガザル(Badr Ghazal)を、彼が反政府軍を完全に根絶することを求める宗教令を出した後で、バルダ村(Baruda)から拘束したと言いました。国家評議会は反政府派の戦線拡大を称賛しました。「シリア連合はシリア沿岸の自由シリア軍の戦闘員を称賛します」。
ラタキアのアサド政権に対する抵抗は孤立地帯で行われていて、州の大半は依然として政府軍が強く支配しています。
記事は一部を紹介しました。
現地の政府軍と反政府軍の勢力が分かりませんが、セマ・ナーサーの指摘があたっている可能性は大きいと思います。この戦線に北部から増員ができるようなら、それは間違いなく戦況を一変させます。ダマスカス、クサイル、ホムスへの補給路を減らし、補給の涸渇という恐怖を政府側に与えるからです。
しかし、ナーサーの指摘のように、十分な準備の上のことかは疑問です。アレッポの攻防戦も、予定よりも早く始め、成功したので結果オーライとなっただけです。本当に戦略的思考の上で行われたとは言い切れません。上層部も、公報が下手で、支援国を批判してみたり、賢明とは言えない行動が繰り返されています。そういう点で、反政府派の人材不足は深刻なのだろうと、私は見ています。
しばらく情報を眺めれば、情勢はある程度見えてくるはずです。
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