国連報告書はロシア提出の証拠を無視
BBCによれば、セルゲイ・ラブロフ外務大臣(Foreign Minister Sergei Lavrov)は、ロシアは安全保障理事会に、反政府派が8月21日の化学兵器攻撃に関係した証拠を与えると言いました。
ロシアは国連報告書を一方的で偏っていると言いました。国連は調査結果は明白だと反論しました。
ラブロフ大臣の副大臣、セルゲイ・リャブコフ(Sergei Ryabkov)は、彼はシリア訪問中に証拠を与えられたと言いました。彼はそれが分析される必要があると言い、内容の詳細は伝えませんでした。リャブコフ副大臣は国連報告書は歪められ、一方的だったと言いました。「報告書が作られる情報の基盤が不十分でした。いずれにせよ、我々は8月21日の事件に関して何が起きたかを、もっと知る必要があります」「控えめに言って、国連事務局と査察官がとった手法に我々は失望しています。彼らは選択的、不完全に報告書を準備しました」。
国連査察官はもともと、カーン・アル・アサル(Khan al-Assal)、シェイク・マクソウド(Sheikh Maqsoud)、サラケブ(Saraqeb)での3件の化学兵器攻撃を調査するためにシリアへ行くよう命じられました。彼らは他の攻撃を調査するために数週間中にシリアへ戻ることになっており、報告書は10月に出されます。
報告書を書いた国連武器査察官チーフのエイク・シェルストーム(Ake Sellstrom)は、彼は報告書自体ではなく、経過を批判していると思うと言いました。彼はラブロフ大臣の批判は政治的問題で、彼の任務とは関係がないと言いました。
フランスのローラン・ファビウス外務大臣(Foreign Minister Laurent Fabius)は、ロシアの反応に驚き、「誰も国連が指名した人々の客観性を疑うことはできません」と言いました。
人権団体「Human Rights Watch」は国連報告書からロケットの軌道をとり、ありそうな航跡を描き、ミサイルの発射地点は政府軍の施設だったと言いました。
military.comによれば、2ヶ所のダマスカス郊外に着弾した化学兵器を搭載したロケットの軌道データを提供した国連報告書は、北西から発射され、それらがシリア軍の基地があることが知られる近くの山から来たことを示唆しました。
「Human Rights Watch」も、別の報告書で、ロケットの推定航跡は同じ地域の共和国防衛隊の基地へつながると言いました。この団体の衛星写真アナリスト、ジョシュ・ライアンズ(Josh Lyons)は「これらの数字が提供するドットをつなぐと、どこでロケットが発射され、誰がやったらしいのかを我々が見ることを許します」と言いました。しかし、彼は証拠は決定的ではないと言いました。
しかし、リャブコフ副大臣は、ロシアに渡された証拠は反政府派が化学兵器攻撃に参加したことを示すものの、ロシアはまだいかなる結論も出していないと言いました。ロシアは安保理にこれらの証拠を提出したと言いました。国連報告書はシリアがロシアに渡した新しい資料の性質を特定しませんでした。
記事は一部を紹介しました。戦況に関する記述は省略しました。
military.comはシリアがロシアに提供した証拠がすでに提供されたと書き、BBCはこれから提供されるという書き方で、この辺の詳細が分かりませんが、濾紙が持つという証拠を見ないことには、何ともコメントできません。
国連がこれらの証拠を無視したのは、現場から採取されたものではないからでしょう。シリア政府が工作した証拠をロシアに渡した可能性もあります。以前に、西欧は反政府から提供された証拠を分析し、政府軍の疑いが強いと言ったものの、結論は出さず、さらに証拠を集めると結論しました。
状況的には、化学剤と運搬システムが両方反政府派に奪われたのに、これまでにシリア軍が何の発表もしていない点で、反政府派に化学兵器はないと判断できます。シリア政府がいう「テロリスト」が大量破壊兵器を手に入れたのに、何の警報も出さないはずはないのです。
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