自由シリア軍とアルカイダグループの争い

2013.9.21


 alarabiya.netによれば、自由シリア軍がアルカイダ傘下グループから攻撃を受けていると非難しています。

 シリア国家連合は、イラクとレバントのイスラム国家(the Islamic State of Iraq and the Levant: ISIS)のメンバーによる最近の暴力は言語道断だと言いました。「連合はシリア革命軍に対する侵攻とシリア人の生命への繰り返される軽視を批判し、こうした行為はシリア革命と原則に逆行します」。

 さらに、連合は最近、ISISがトルコ国境の町、アザズ(Azaz)を水曜日に占領したことを、そうした攻撃の実例として強調し、自由シリア軍との数時間の銃撃戦と国境の町、バブ・アズ・サラーム(Bab as-Salameh)を支配しようとする試みを非難しました。アザズは2012年7月に反政府派が最初に占領し、自身の政権を打ち立てました。

 反政府グループとISISの間の緊張はここ数ヶ月、特に大半を反政府派が支配するシリア北部で悪循環しています。


 アサド大統領が、反政府派は8~9割がアルカイダだと言ったのなら、こうした対立は起こりません。いかに彼の主張が現実とずれているかが分かる話です。認識自体が誤りなのか、欺瞞工作のためにそう言ったのかは分かりませんが、彼が言うような状況にないのは論を待ちません。

 もともと、自由シリア軍とアルカイダは相反する存在なのです。アルカイダは、自身の教条のためにイスラム国内に拠点を作りたいのです。彼らの目標は、そうしたイスラム帝国を築いて、古いイスラム世界を復活させることです。将来的には、彼らは対立を深めることになります。そうなった時もアメリカは対テロの観点から自由シリア軍を支援するでしょう。


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