ロシアが化学兵器排除のために人員派遣を示唆

2013.9.23


 BBCによれば、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣(Foreign Minister Sergei Lavrov)はロシアのテレビ局に、シリアの化学兵器を廃棄するために軍人を派遣できると言いました。彼は国連決議に関してアメリカが脅迫を行ったと非難もしました。

 国際的化学兵器監視団体(OPCW)は、シリアが化学兵器の詳細を期限通りに提出したと言いました。

 ラブロフ大臣は、ロシア軍は大規模である必要はなく、小さな監視団であると言いました。アラブ諸国とトルコは監視任務の一翼になり得ると彼は示唆しました。同じインタビューで、ラブロフ大臣は、アメリカ、イギリス、フランスはシリアの政権交代という目的のために盲目になったと言いました。彼は西欧諸国が、ロシアが軍事行動を承認する国連決議を支持しないと、シリアの化学兵器廃棄の取り決めを止めると脅したと言いました。ラブロフ大臣はOPCWがシリアに関して決断をなそうとしている時、手順が一部の西欧のパートナー国の尊大な態度により危うくなっていると言いました。「我々のアメリカのパートナーは我々を脅し始めています」と彼は言いました。米英仏はシリアの化学兵器問題を解決するという唯一の目的のために集中しなければならないと、彼は言いました。

 日曜日に、迫撃砲弾がダマスカスのロシア大使館に命中しました。この攻撃の被害はありません。大使館があるダマスカス中心部は反政府軍によって定期的な攻撃の目標とされています。


 記事は一部を紹介しました。

 すでにこの取り決めを成功させたかのようなロシアの発言が続いていますが、問題はこれからです。ラブロフ大臣が監視団に米英仏の軍人を含めると言っていないところが、彼らの対立がかなり深まっていることを思わせます。くだらない対立で、この合意を無にしてほしくはありません。

 この際、化学兵器廃棄の査察チームは国連が指揮することにして、各国が化学兵器の専門家を派遣した方がよいと思います。各国レベルでの外交は、こういうつまらない話になりがちです。

 アメリカの脅しなるものは、外交の場ではよくあることです。軍事行動を否定されると、約束だけ結び、シリアが守らなくても何もできないということになりかねません。それを防ぎたいと考えるのは当然です。相手の出方を見るために、言えるだけのことは言うものなのです。


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