シリア副首相が「内戦は手詰まり」と発言
BBCによれば、シリアのカドリ・ジャミル副首相(Qadri Jamil)は、シリアの内戦が双方に決め手がなく、手詰まりになったと言いました。
イギリスのガーディアン紙に対して、ジャミル副首相は、ジュネーブでの和平会談を提案し、シリア政府は反政府派との停戦を要請すると言いました。BBCのジム・ミュアー記者(Jim Muir)は、ジャミル副首相がロシアによる和平交渉を検討しているようだといいます。
「武装した反政府派もシリア政府も互いを打ち破る能力がありません」「この軍事力のゼロバランスはしばらくは変わらないでしょう」。ジャミル副首相は、彼が政府を代弁していると言いました。彼は長らく遅れていた和平会談が復活するのなら、政府は中立国か友好国の軍による監視の下で停戦を提案すると、彼は言いました。彼は、これは外部からの干渉とは無縁の、平和的な政治的プロセスへの道を開くと言いました。誰も恐れてはならない、現在の形の政権は続く、と彼は言いました。
ミュアー記者は、ジャミル副首相のコメントはシリア反政府派により拒絶されるだろうと言います。反政府派は政府側からの改革と民主主義について、ひどく懐疑的です。ジャミル氏は反乱の初期に、彼の党が政府に対してデモに参加した、元共産主義者です。彼は本格的なバース党支持者ではありません。
イランのハッサン・ローハーニ大統領(President Hassan Rouhani)は、イラン政府は、彼が他国との「建設的関わり」政策と呼ぶものの一環として、シリアの和平を仲介するのを助ける用意があると言いました。ワシントンポスト紙の記事で、ローハーに大統領は「シリアであれ、バーレーンであれ、我々は国家の対話に向けて、建設的に働くために手を組まなければなりません。我々は地域の人々が自信の運命を自決できる雰囲気を作らなければなりません」「この一環として、私は我が政府がシリア政府と反政府派の対話を容易にするのを助ける準備があると発表します」と書きました。
記事は一部を紹介しました。
一瞬、驚かされたものの、よく読むとジャミル副首相の発言は単なるアドバルーンですね。アサド政権を維持したままの和平には現実性がありません。シリアの大多数の人たちは、アラウィ派の支配を終わらせたいのです。
しかし、シリア政府がこれを口にするということは、彼らの勢力が相当に弱っている証拠です。ホムスは奪還し、沿岸地域とのルートは確保したものの、アレッポへの反撃は未だに実現せず、首都での反政府派の攻撃は続いています。一方で、反政府派はホムスを奪還できず、ダマスカスでも決め手を欠いています。外部からの支援が増えた中では、反政府派の方が少し有利なのかも知れません。それを感じるからこそ、停戦のアドバルーンをあげてみたのです。若干ではあるものの、反政府派が有利に動いているのかも知れません。
|