今年末、ロシア空母がシリアへ寄港

2013.9.6


 military.comによれば、ミサイル攻撃の危機が迫る中、ロシアは今年後半に唯一の空母「クズネッツオフ(Kuznetsov)」をシリアの寄港させる計画です。

 より早く、ロシア国防当局者は水曜日、ロシアの誘導ミサイル巡洋艦「モスクワ(Moskva)」が、東地中海へ向け、ジブラルタル海峡に到達したと言いました。対艦ミサイル「サンドボックス(Sandbox)」と対空ミサイル「フェーバリット(Favorit)」を搭載する611フィート長のモスクワは、この地域の機動部隊の旗艦となります。

 情報偵察艦「プライアゾビエ(Priazovye)」が国会から東地中海に送られ、機動部隊とは別に活動します。

 2,000人の隊員が乗る890フィート長のクズネッツオフは、航空機を発進させるカタパルトはありませんが、Su-33「スホーイ(Sukhoi)」が離陸するのを助けるスキージャンプ型のランプを船首に持っています。

 「年末、おそらくは12月初旬、プロジェクト11435の航空母艦重巡洋艦クズネッツオフは長距離の航海に出ます。その間に、シリアのタートス(Tartus)にあるロシア連邦海軍補給所に寄港すると、ロシアの新聞「Rossiyskaya Gazeta」は報じました。この訪問はシリア内戦には関係がないと新聞は言いました。空母がダーダネルス海峡を通って国会に入ることを禁じる国際海事法を回避するため、ロシアは公式にクズネッツオフを巡洋艦と呼びます。

 1985年に就航してから、クズネッツオフは洋上ではほとんど時間を過ごさず、大半は予算不足のために波止場にいるか、改装のために修理場にいました。


 記事は一部を紹介しました。

 クズネッツオフは、シリア内戦には影響を及ぼしません。この記事で一番脅威なのはプライアゾビエです。

 クズネッツオフは空母としての元々の性能が低く、しかもほとんど訓練ができていない様子です。さらに、空母艦隊として、他の艦船との連携行動もできていないでしょう。それに、年末までにはシリア空爆は終わっているかも知れません。

 誘導ミサイル巡洋艦は一定の圧力にはなりますが、まさかロシアがシリアのために、西欧と全面対決するつもりがないことは当然です。プレゼンスを示すためだけの派遣です。

 プライアゾビエは、米仏艦隊の動きを調査し、今後の参考にするための任務に就きます。なので、これが一番恐いわけです。

 ロシアは基本的に防衛的な戦略をとる国です。アメリカが対応を誤らない限りは脅威にはなりません。


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