南スーダン和平会談に進展なし

2014.1.13


 BBCによれば、国連安全保障理事会は、南スーダンのサルバ・キール大統領に、紛争を終わらせるために、政治犯を釈放するよう要請しました。

 囚人に関する国連安全保障理事会15ヶ国の声明は、和平会談の開始を願って出されました。しかし、キール大統領は11人の囚人は法の力で裁かれなければならないと主張しました。国連の声明は停戦とより広範な和平会議を要請しました。軍事的・政治的緊張を悪化させる外部の干渉に強く失望したとして、政府軍を増強するために、兵士と攻撃ヘリコプターを送っているウガンダに言及しました。

 アジスアベバの高級ホテルで行われた和平会談は、即時の休戦を目的としますが、ほとんど進展が報告されませんでした。


 記事は一部を紹介しました。

 戦況に関する説明も記事に書かれていますが、これまでの報道を繰り返しただけです。

 安全保障理事会が政治犯の釈放を要請した点が興味深く感じました。これは国連側が、11人の逮捕に疑問を持っていることを表します。つまり、キール大統領が選挙で勝つために、自分に都合が悪い者たちを逮捕し、拘束していると国連は見ているのです。クーデター計画は立てていないと主張するマシャル元副大統領の主張が正しく、キール大統領が無理を通そうとしているのかも知れません。

 現在のところ、南スーダンの正当な代表者はキール大統領で、日本が派遣した自衛隊はもっぱら、そのキール大統領を支援しています。下手すると、国連がキール大統領への支援を止め、自衛隊の活動がそこで終わる可能性も出てきました。

 極めて興味深い状況になっているのに、国内メディアはどこもそれを報じようとしていません。


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