シリア政府が捕虜交換に前向き

2014.1.18


 BBCによれば、シリア政府は反政府軍との捕虜交換をする準備ができていると言いました。

 ワリド・ミュアレム外務大臣(Walid Muallem)は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣(Sergey Lavrov)に、アレッポの停戦計画についても述べました。この動きはシリアの国家連合が来週の和平会議に参加するかどうかを決めるためにイスタンブールで会議を開くときにありました。国家連合は会議に出るように西欧諸国から圧力を受けていますが、彼らの多くはすでに参加をしません。一部のメンバーはアサド大統領が暫定政府から排除されることなしには参加を嫌がっていますが、シリア政府は会議にいかなる前提条件もあってはならないと言います。

 レバノン治安当局は、シリアから発射されたロケットがレバノン国境の町、アーサル(Arsal)に着弾し、少なくとも子供数名を含む7人を殺し、15人を傷つけました。アーサルはベッカ渓谷(Bekaa valley)にあり、主にアサド大統領と対立するスンニ派が住んでいます。シリア軍が昨年11月に近くで攻勢を開始してから、街は難民で溢れました。

 ミュアレム大臣は「私はラブロフ大臣に、別側に捕らえられ、シリアの刑務所に拘束される者たちを交換することに合意することに賛成する我々の信念ある立場を伝えました」「我々はすでに交換リストを準備し、目標を達成するために必要なメカニズムを作ります」。ミュアレム大臣は、彼はロシアにアレッポの停戦計画を渡したと付け加えました。彼はそれが他の町の例として働くことを望むと言います。しかし、特派員は部分的な停戦が達成できるかは、まったく不透明だと言います。

 木曜日、2人の外務大臣はイラン当局との会議を開きました。ラブロフ大臣はこの会議に秘密の議題はないと言いました。「我々は三者の(和平)草案を持っているのではありません」。

 シリア国家連合は、シリア国家評議会が会議をボイコットすると脅し、大きく割れています。120人のメンバーの内、44人がすでにスイスでの会議から撤退しました。しかし、彼らすべてと、カタールとサウジアラビアのような彼らの地域的な支援者は、アメリカやその他の国からの圧力の下にあると、特派員は言います。彼は連合が会議に出れば、実質的に主要な戦闘部隊が政府と対話することに賛成しないため、誰が代表になるかについて大きな疑問があるため、本当に無力です。連合は海外では広くシリア国民の合法的な代表と考えられていますが、いくつかの反政府同盟と強力なイスラム主義反政府グループはその権威を認めることを拒否しています。

 過去の2週間だけで、1,000人以上が戦闘で殺されたと、活動家グループは言います。


 記事は一部を紹介しました。

 この和平会議で成果があっても、精々が捕虜交換程度だという話です。大した意味のない会議にしかなりません。捕虜を交換し合って、戦いを続けるだけの話です。

 部分的な停戦は停戦ラインをどこで引くかでもめます。どちらも、自分に有利なところでラインを引きたがるからです。停戦ラインを引いても、第三者が監視に入るわけではなく、どれだけ守られるかが疑問です。そもそも、主要都市で停戦を決めていけば、内戦が終わるという発想が不合理です。戦いは目的を達するまでは終わらないものだからです。

 そもそも、反政府派の代表の権限が不透明となれば、借りに会議で何かが決まっても、現場は無視するでしょう。

 和平が成立する条件が揃わなければ、戦いは終わりません。そのためには、はっきりとした戦果が出る必要があります。そこから目を背けている国際社会には、シリア内戦を終わらせる力はないのです。


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