南スーダン軍がボルを奪還
BBCによれば、南スーダン軍がボル(Bor)を反政府軍から奪還しました。
反政府軍の公報が兵士は戦術的な撤退をしたという一方で、ウガンダ軍は作戦を支援したと言いました。「多くの抵抗がありましたが、我が軍が圧倒していました」と公報のパディ・アンクンダ(Paddy Ankunda)は言いました。見麻実スーダン軍公報、フィリップ・アガー(Philip Aguer)は、ボルの戦いは多くの死者を出したと言いましたが、死者数は言いませんでした。
反政府軍のルル・ルアイ・コアング准将(Brig-Gen Lul Ruai Koang)は、部隊は再編成のために撤退したと言いました。彼はボルはすでにゴーストタウンで、もはや重要ではなかったと言いました。しかし、アガー大佐は、勝利は反政府軍が首都を攻撃するという心理的なプレッシャーを取り除いたと言いました。アガー大佐は、現在、政府軍は反政府軍が支配するマラカル(Malakal)に向かっているとも言いました。しかし、アガー大佐はそこにいる政府軍と連絡を維持するのが困難だと認めました。
首都ジュバにいるBBCのマーク・ローウェン記者(Mark Lowen)は、ボルはすでに何度も持ち主が変わったので、レイク・マシャル(Riek Machar)が別の攻勢のために軍を動員する可能性は否定できないと言います。
BBCによれば、南スーダンの対立する両派閥は残虐行為を行ったと、国連人権チーフは言いました。
イヴァン・シモノヴィック(Ivan Simonovic)はBBCとのインタビューで、ボルとベンティーウはいまやゴーストタウンだと言いました。彼は国連のために報告書を準備するために南スーダンを訪問した後で言いました。彼は「残虐行為への関与レベルは異なる場所で様々でした」と言いました。
国連が入手した1月2日と13日の衛星写真は、激戦がみられた北部のユニティ州、ルブコナ(Rubkona)がベンティーウよりも遙かに大きく破壊されていることを示しました。国連のアナリストは町の大半が主に火災で破壊されたと結論しました。この地域には、約4,000件の焼かれるか、その他のダメージを受けた建物があります。複数の場所に瓦礫の山もあり、国連は略奪の証拠もあると言います。
シモノヴィック氏は、最もひどく影響を受けたのはボルとベンティーウだと言いました。「ボルは空っぽで、ベンティーウはもはや存在しません。それは消し去られました。略奪されただけではなく、燃やされました」「難民キャンプにしか市民はいません。戦慄するのは、民族的な真理があり、そうして紛争が始まり、市民を標的にしている者がいるということです」。彼は大量殺人、非合法的殺人、恣意的な拘束、強制的な失踪、性的暴力、資産の広範な破壊と略奪と紛争への子供の使役の報告があると言いました。「私は行われた残虐行為について広範な監視と報告が重要だと考えます」。
ジュバでは、民族を理由として、数多くの検挙と殺人があったとの主張がありました。
シモノヴィック氏は、彼のチームの報告書は2週間ほどで発表されると言いました。
記事は一部を紹介しました。
大きな進展がありました。ただ、マラカルに向かっている政府軍と連絡が取れないという主張は、本当にマラカルに政府軍が向かっているのかという疑問を湧かせます。奪還を防ぐためには、ボルに部隊を置き続ける必要がありますから、その部隊をすぐにマラカルに向かわせるかどうかは検討が必要です。反政府側の戦術的撤退という主張も敗北を誤魔化すためかも知れません。
2番目の記事には1月2日と13日の衛星写真が載っていますが、13日にはルブコナはほとんどが燃え、消滅していることが分かります。
これだけ激しい戦闘が起きているのに、国連施設は組織的な攻撃を受けていません。国境なき医師団の施設が略奪されたという報告があるだけです。両派閥とも、国際社会の承認を受けるために、国連施設への攻撃を避けているようです。
ボルの韓国軍は、目の前の戦闘を目にしながら何もできずにいますし、ジュバの自衛隊は、今後、反政府軍が首都に向けて進撃すると、一層近くで惨劇を目にすることになります。
すでに現在の段階で、自衛隊が撤退する条件が整っていると私は考えます。紛争が継続しているところには派遣しないという法律上の基本方針は、すでに無視されています。戦闘が現地部隊に及ぼす危険性の程度は撤退条件には関係がなく、紛争が継続中かどうかが判断の基本のはずなのに、まったく考慮されていません。
日本政府からは何の発表もなく、現地部隊も「首都は平静」としか報告せず、野党第一党の民主党も何の反対もせず(彼らが派遣を決めた)、マスコミは何の批判もせず、国民の関心は皆無に近いのが現状です。国連が大量の残虐行為を報告したところで、誰もそれを参照しないのです。
この報告書が出た後は、国連も南スーダン対策で態度を変えるかも知れません。日本はこういう動きが出ていることに気が付いているのでしょうか?。
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