シリア政府が拘留者を大量虐殺か

2014.1.21


 BBCによれば、CNNと英ガーディアン紙(the Guardian)は、シリア政府が大勢の拘留者を拷問し、殺害しているという主張を報じました。

 ベイルートにいるジム・ミュアー記者(Jim Muir)は、説明が本当なら、それは恐ろしい構造的な記録を示します。それらは毎回、数回写真撮影され、数を数えられました。約11,000人の死んだ拘留者を示す約55,000枚の写真が、憲兵隊のカメラマンとして勤務した離反者により、シリア国外へ持ち出されました。ガーディアン紙は、証拠の公開は、証拠の信憑性を精査するカタール出資の報告書と共に、和平会議と意図的に同時になるよう調整されたと見られることを示唆しました。


 記事は一部を紹介しました。

 本来は、イランが和平会議に参加しないことになったという記事ですが、それは特段、不思議ではないので、その中に書かれていることに注目しました。

 約11,000人もの大量殺人は希です。しかも、それを記録に取っていたことも珍しいことです。誰を殺害したかを、あとで特定できるようにしたかったにしても、これほど大量の記録が残ることは驚きです。そのためだけなら、拷問中の写真を撮る必要はないわけですから、なお疑問です。

 さらに、デジタル時代になったため、画像データを簡単にコピーして、密かに持ち出せるということは、米軍のイラク侵攻(2003年)以降にも、米軍の内部告発でも見られたことです。それにしても、規模が大きいので、その影響は小さくはないでしょう。

 また、これを和平会議に遭わせて、情報戦として出してくる神経も驚きです。これ自体が大事件で、タイミングを図る必要はなく、発覚次第、公開してもよさそうなものです。

 シリア政府の戦争犯罪は、この写真だけでも、優に証明できるでしょう。こういう政府を、国連が仲介して、和平会議までやってやる必要があるのかも疑問です。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.