キール大統領が国連を不公正と非難

2014.1.23


 BBCによれば、南スーダンのサルバ・キール大統領(President Salva Kiir)は、国連の平和維持任務を、国内で並列政府のような活動をしたと非難しました。

 彼のコメントは南スーダン政府が国連を、反政府派と銃を国連キャンプに隠したと非難した後に出されました。国連は非難を否定しています。

 70,000人以上の民間人が先月、戦いがはじまった後で、南スーダン国内の国連基地に避難しました。国連は政府と反政府派の兵士が世界の最貧国で残虐行為を行ったと言います。

 キール氏のコメントは国営テレビで放送され、先週のボル(Bor)奪還に続きました。マラカル(Malakal)も奪還したと南スーダン政府は言いますが、反政府派は認めません。

 国連との摩擦は日曜日に情報大臣がボルの国連基地へ無理矢理接近しようとした試みに続きました。南スーダン政府はそこに武装した反政府派が隠れていると信じていました。声明において、潘基文国連事務総長(UN chief Ban Ki-moon)は、国連南スーダン任務の要員への脅威に危機を感じ、懸念していると言いました。

 キール大統領は「我々は派遣団が南スーダンに来た時、彼らが南スーダンの政府の並列政府として来たのだとは知りませんでした」「それが潘基文の立場なら、彼は彼が国連が南スーダンを支配することを望むのを明らかにしなければなりません」と言いました。彼は、国連は政府にキャンプの中の隠れ家で銃を捜索し、すでに国連の手中にある銃、軍服、政府車両をすべて手渡すことを認めなければなりません」と付け加えました。

 派遣団の公報は、国連は公平であり、キャンプの中では武器については一切認めない政策を持っていると言いました。「人々が武器を持って基地に来た時、基地が民間人の性質を持つことを明白にするために、あらゆる武器、軍服、装備品は我々が預かってきました」とアリアン・クエンティア(Ariane Quentier)は言いました。「我々が個別にチェックできない多くの人々を収容していることは非常に明白ですが、我々が70~80%の女性と子供を収容しているという事実は、我々が反政府派を隠していない明白な証拠です」。彼女は政府との関係が改善すると確信していると付け加えました。「あらゆるラブストーリーを同じく、浮き沈みはあります。数日間は少し降下するかも知れませんが、通常に戻ると確信しています」。キール氏は他の支援組織も反政府派指導者、マシャル氏(Machar)を支援したとして非難しました。

 エチオピアの和平会議は停戦を模索しています。キール氏は、無条件の戦闘終了と、11人の政治犯は釈放しないと繰り返しましたが、マシャル氏を赦免する心の余地を持つと言いました。彼は、支持者に兄弟の殺害実行と破壊実行を止めるように訴えました。

 マシャル氏は政府軍についているウガンダ軍の撤退なしに和平協定に署名しないと言いました。

 1週間前、ガメサ(Gemeza)での待ち伏せ攻撃で、ウガンダ兵9人が死亡し、12月23日以降、別の12人が殺されたと、ウガンダ軍広報官、パディ・アンクンダ大佐(Col Paddy Ankunda)は言いました。ウガンダ軍は長く南スーダンに留まるつもりはないと、彼は言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 かなり重大な記事と思います。キール大統領が国連を信頼せず、ボルにある韓国軍などが駐屯する基地へ押し入ろうとしたようです。今後、首都ジュバで戦闘になれば、自衛隊が駐屯する基地で同じことが起きる可能性があります。首都攻防戦であることから、その強度はボルよりも大きいかも知れません。

 これが単に和平会議にプレッシャーを与えるだけの、キール大統領のはったりであれば、実害はないかも知れません。しかし、南スーダン政府が国連に深い疑いを抱き、その権限を無視するなら、事態は急速に悪化し、自衛隊の派遣部隊に被害が出るかも知れません。

 それにしても、こんな重要な記事がなぜ日本国内で報じられないのかが疑問です。昨日、NHKは大量虐殺の証拠写真の記事も報じず、その代わりに流したのは、韓国で新しい除雪技術が開発されたという、即時報道する必要性の低い記事でした。ワイドショー化したニュース番組は害悪を垂れ流しにしています。


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