60mm迫撃砲が二重装填で砲身破裂

2014.1.27


 military.comによれば、昨年3月にネバダ州での実弾射撃訓練で、8人の海兵隊員を殺した爆発は60mm迫撃砲の二重装填が原因でした。

 軍の調査は3月18日のホーソン陸軍補給廠(Hawthorne Army Depot)での爆発の原因が人為的ミスであると確定しましたが、悲劇を導いた要素は複数でした。

 地形のため、海兵隊員は2門の迫撃砲の周りに緊密に集まりました。爆発は海兵隊員が2番目の砲弾を砲身に入れた時に起こり、すでに装填した迫撃砲弾を起爆し、半分装填した砲弾を射出しました。

 キャンプ・ルジューン(Camp Lejeune)の第9海兵連隊第1大隊A中隊の海兵隊員は、ちょうど2ヶ月前にはじめて迫撃砲訓練を行いました。数名の隊員は81mm迫撃砲から最近転換しました。81mm迫撃砲はドロップファイヤモードでは通常二重装填を行う可能性はまずありません。


 記事は一部を紹介しました。これは少し前の記事ですが、なかなか普段走ることができないことが分かる記事です。

 兵器の性能はカタログデータを見ても分からない場合が少なくありません。射程のような基本的データは分かっても、特に、砲身破裂のようなトラブルを起こすには、どれだけの火薬が必要かといったことは、どこにも書いていないのです。

 今回の事故で、60mm迫撃砲は二重装填で破裂することが分かりました。これは極めて脆弱なことです。猟銃は通常の3倍の火薬でも銃身が破裂しないように設計されています。自分で弾を作る場合、誤って2回火薬を薬莢に入れてしまう可能性がありますから、万一、その場合でも銃身は破裂しないように造られています。

 迫撃砲は斜めに立てた方針に砲口から砲弾を装填します。弾は砲身の中を滑り落ちて、砲尾まで行くと起爆され、発射されます。この事故では、1発目の砲弾が砲身から飛び出る前に2発前を入れてしまったようです。81mm迫撃砲と違い、60mm迫撃砲は砲弾が軽いので、操作を早くやり過ぎたのでしょう。発射された砲弾が後から装填された弾とぶつかり、1発目の砲弾の信管を起爆し、2発目を押し出したのです。2発目も爆発したかは分かりませんが、砲身内で異常高圧が起こり、砲身が炸裂したのです。

 銃弾と違い、砲弾には火薬が充填されています。このため、二重装填で砲身が破壊されるわけです。理屈では推定できても、実際どうなのかは、こうした事故が起こらないと確認は取れません。60mmのような小口径の迫撃砲では、大きな事故にはならないのではないかとも思えますが、実際には8人が死亡するほどの事故になることも確認できたのです。


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