シリア和平会議は進展なく解散
BBCによれば、ジュネーブで開催中だったシリアの和平会議は解散しました。記事から注目すべき点を抽出します。
国連の調停者、ラダハル・ブラヒミ氏は(Lakhdar Brahimi)、人道支援を行う輸送隊は、まだホムス(Homs)の包囲された部分に入るために待機していると言いました。彼はシリア政府がまだそれを許可していないと言いましたが、「我々は諦めていない」と付け加えました。
政府は女性と子供が反政府派の支配地域から出る許可を提案し、氏名のリストを受け取れば男性の安全な通過を認めると申し出ました。反政府派はそれを強制退去と支援者を逮捕するための計略として拒否しました。
西欧の外交官は、支援が来週までに許可されなければ、シリア政府と、その盟邦ロシアに圧力をかけるため、国連安全保障理事会で決議を起草すると言いました。
約2,500人がホムスの旧市街で2012年6月から、食糧と医療品がないまま閉じ込められています。火曜日に、ホムス州知事は、国連当局が民間人を避難させるために、包囲された地域にいる反政府派と接触していると言い、世界食糧計画は両者の許可が出れば、1ヶ月分の食糧を届ける準備があると言いました。
記事は一部を紹介しました。
和平会議が流れたことは日本でも報道されていますし、結果は予想通りなので、興味深い点だけ紹介します。
ホムスに関する交渉を見ても、この和平がまとまるはずはなかったと思います。国際人道法(ジュネーブ条約)では、民間人には避難経路を示し、食糧を手に入れられないような状況を作ることも禁じています。シリア政府に、そんな考えがないことは明らかです。
ギリシャ神話のアキレスは「戦争の最初の犠牲者は真実だ」と言いましたが、平時には尊重されるものが無視されるようになるのが戦争です。シリア政府は反政府派を攻撃するためには手段を選びません。
極度の対立が続いているのに、国内報道は「和平会議では意見の隔たりが大きい」のように、激しい殺し合いが実態の内戦を、軟らめて説明しようとしかしません。
シリア、南スーダンだけでなく、現在、世界各地で内戦が進行中です。和平を模索するにも、戦争の原理に基づいた外交が展開されなければ意味がありません。平和を続けようとするよりも、戦争を使用とするエネルギーの方が強いのです。それを押さえ込むには、戦争の原理を無視できません。現在の国際社会を主導する米英仏には評価すべき点もあるものの、戦争に対処する実務能力は高いとはいえません。日本は対米追随しか考えておらず、何の期待もできません。
シリア内戦を終わらせるには、今年中に武力介入が必要です。ホムスに関する決議がどんな内容になるかは分かりませんが、ホムスの包囲を解くための空爆という形にならないと、何の意味もないでしょう。
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