前線に地上軍なしでも正確な空爆が可能に

　military.comによれば、アメリカ人とクルド人の指揮官は、コバネがイスラム国の手に落ちないように密接に協力しています。

　ウォールストリートジャーナル紙によれば、アメリカ人とクルド人の指揮官たちはコバネ周辺の空爆と地上戦を調整しています。クルド人将官はアメリカの空爆の攻撃目標の位置を特定するのを助け、毎日、戦況報告をアメリカの作戦立案者へ送ることまでしています。

　この新しい協力の範囲は、アメリカの輸送機C-130が28個の武器、弾薬、医療品をクルド軍へ空中投下した今週初めに決定されました。同紙は計画された空中投下は金曜日にオバマ大統領に示され、大統領派すぐに承認しました。空中投下は、コバニの防衛者は、あと３日程度で弾薬が欠乏すると評価されたあとで提案されました。

　最初、コバニ付近の陣地攻撃の目標は、単純にできるだけ多くのイスラム国メンバーを殺すことでした。金曜日、補給品の空中投下がホワイトハウスに提案されたのと同じ日、中央軍司令部指揮官、ロイド・オースティン陸軍大将（Army Gen. Lloyd Austin）は国防総省の記者会見で「コバネが陥落する可能性は高い」と記者たちに警告しました。ホワイトハウス広報官、ジョシュ・アーネスト（Josh Earnest）は、コバニに集中するイスラム国はアメリカと同盟国の空爆にとって、攻撃目標の多い環境を作り出したと言いました。

　しかし、それはイスラム国が街を占領しそうになると変わり、大勢の難民がトルコ国境に押し寄せると、クルド人戦闘員は絶望的な戦いを強いられました。「彼らを食い止め、相当な損害を与えることで、特にシリアでは、勢いの感覚がぼやけ始めました」と国防当局高官は言いました。別の高官は「コバネはイスラム国が旗を立てたがる次の場所になり、コバネは戦略的意味を持ちました」と言いました。

　トルコのメブリュト・チャブシュ オール外務大臣（Foreign Minister Mevlut Cavusoglu）は月曜日、シリア人クルド人の難民がイスラム国と戦うためにイラクからコバネに行く途中でトルコを通過することを許可したと言いました。しかし、新聞はそうした軍隊は火曜日までに到着していないと報じました。

　military.comによると、アメリカはイスラム国に対する空爆を、パイロットが攻撃をピンポイントで狙うために頼りにする統合末端攻撃統制官（JTAC）なしで実行しました。

　アメリカと同盟国の指揮官はそれ以上に、遠隔操作ビデオ強化受信機（Remote Operated Video Enhanced Receiver）、略して「ROVER」と呼ばれるラップトップ装置に頼りました。これはアメリカの軍事顧問に上空を飛ぶ無人機と固定翼機に取り付けたセンサーから潜在的な攻撃目標の映像を提供します。

　統合参謀本部議長、マーティン・デンプシー陸軍大将（Army Gen. Martin Dempsey）は、クルド人のペシュ・メルガ（peshmerga）とイラク軍がモスルダムを奪還する間にイスラム国に対する空爆を指示する際の効果でROVERを称賛する際に、簡単な言及をしました。

　国防総省当局者は、ROVERがコバニ（Kobani）を包囲するイスラム国に対処するために使われたかどうかについては、コメントしませんでしたが、この装置はシリアとイラクの現地部隊には提供されていないと言いました。

　９月16日、上院軍事委員会で、デンプシー大将は、クルド人の首都、イルビル（Irbil）の合同作戦センターの米軍顧問はモスルダム地域を巡回する無人機から送られるリアルタイムのビデオ映像を見て、無人機と航空機のために攻撃目標を選択するためにROVERを用いたと言いました。

　初期のROVERシステムは2002年に開発されましたが、扱いにくく、ハンヴィーで運ばれなければなりませんでした。空軍の技術者は後に、バックパックで運べる12ポンド（7.3kg）のROVERを開発しました。

　BBCによると、米主導のイスラム国への空爆は９月以来、553人を殺しました。

　人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は、イスラム国戦闘員464人、その他の民兵57人、民間人32人が死んだと言います。

　記事は一部を紹介しました。

　オバマ大統領は地上戦を否定し、米軍もそれを理解していまｓ。イラクでは、軍事顧問がもっと前線に出れば、もっと正確に空爆ができると言い出しました。この時に、別の方法で空爆を効率的に行う方法が議論されたと言いますが、それがROVERだったのでしょう。

　目下のところ、ROVERを用いた空爆は機能しているようです。戦力が足りないから地上軍を送れと叫びたがる人たちは、代替案を検討することも考えるべきでしょうね。

　イラクとアフガニスタンでの失敗以来、米軍も勧告案を出す際に、慎重になっています。こういうやり方の方が戦争で失敗しないのは間違いがありません。