イラク軍がイスラム国軍に対して前進

2014.10.27


 BBCによれば、イラクでイスラム国に対する戦いに進展が見られました。

 北部でクルド軍はズマル(Zumar・kmzファイルはこちら)を奪還しました。その南では、イラク軍は、シーア派の巡礼ルートを巡る戦いの中、バグダッドに近いジゥフ・アル・シャカル(Jurf al-Sakhar・kmzファイルはこちら)からイスラム国を弾き出しました。一方、米主導の軍隊は金曜日と土曜日に22回の空爆を行いました。

 クルド人のペシュ・メルガ(Peshmerga)は、米軍の航空支援を受けて、イスラム国民兵をズマルの中心部と周辺のいくつかの村から追い出しました。ペシュ・メルガは8月にイスラム国の攻勢でズマルから追い出されていました。

 イラクのペシュ・メルガの高官、ジャバル・ヤワル中将(Lt Gen Jabbar Yawar)は、ズマル奪還は大きな進展で、シンジャル(Sinjar)解放を促進すると言いました。イスラム国は8月にシンジャルを占領し、ヤジディ族を中心とする住民多数を退避させました。

ベイルート駐在

ジム・ミュアー記者(Jim Muir)のコメント

 イスラム国に奪われ、何度も奪還を試みた8月初旬からズマルはペシュ・メルガにとって身中の棘でした。

 8月中旬にクルド軍が奪還したモスルダム(Mosul Dam)に近いにも関わらず、ズマルは今まで奪還を逃れてきました。しかし、クルド人指導者は、米軍の空爆の激しい助けで、最終的に街と近隣17村の確固とした支配を取り戻したと言いました。

 クルド人の前進を遅くしている主要素は、大量に爆弾やブービートラップを仕掛けるイスラム国の戦術です。

 別の空爆はシリアのコバネ(Kobane)付近のイスラム国砲兵隊を破壊しました。

 イラク軍はイラクのバグダッド南方、大半がシーア派の南部イラクの治安の要、ジゥフ・アル・シャカルで前進しました。記者は街の大半が占領されたと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 いずれも小さな前進のようですが、そろそろイスラム国に対して対抗できるようになってくるはずで、こうした動きが各所で起きると思われます。無敵の軍隊は存在しません。まずはイスラム国の幻影を打ち破る必要があります。

 


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