イラクからクルド人の増援150人が派遣へ
BBCによれば、イラク系クルド人部隊が、シリアへ越境する予定の場所からコバネのイスラム国との戦いへと移動中です。
最高150人のペシュ・メルガ(Peshmerga)戦闘員が半分は空路で、半分は道路を重火器を伴って進行中です。トルコは先週、トルコ系クルド人が戦うために越境するのを拒否したあとで、この派遣に合意しました。
トルコのアフメト・ダウトオール首相(Ahmet Davutoglu)は「コバネ防衛、コバネと周辺地域をイスラム国から奪還するには軍事作戦の必要があります」と言いました。しかし、彼は、トルコはアサド政権のシリア軍に対する行動を含めた統合された戦略を持つから、米主導の対イスラム国同盟がに参加しただけであることを明らかにしました。彼は西欧は軍を派遣する準備ができていない点も指摘しました。「他国が地上軍を送りたがらないのですから、コバネを支援する唯一の方法は、平和志向で穏健派の兵士をコバネに送るしかありません。兵士とは、ペシュ・メルガと自由シリア軍です」。
AFPによれば、機関銃、大砲、戦闘員を乗せた軍用トラックが火曜日にイラクのクルド人の首都、イルビル(Irbil)を出発しました。戦闘員80人が陸路で、残りは空路でトルコへ向かいました。トルコのイスタンブール駐在のBBCプロデューサーは、68人が空路でトルコに入国したと言いました。
重火器の車列には対戦車ロケット・ミサイルが含まれると考えられています。
以前の報道は、戦闘員の大半が火曜日に空路で発とうとしていることを示しました。イラク系クルド人当局者は、ペシュ・メルガはトルコ南東のシロポリ(Silopi・kmzファイルはこちら)へ飛び、そこから彼らはコバネに陸路で向かったといいました。
トルコ議会は先週、コバネを守るためにペシュ・メルガ150人を送ることを承認しました。
彼らの配備が遅れた理由は不明です。ペシュ・メルガの指揮官は、補給上の問題があったと言いましたが、トルコとシリア系クルド人民防衛隊(the Syrian Kurdish Popular Protection Units: YPG)との間で、どちらがコバネの防衛を主導するかで争いがあったという報告もあります。「いまは政治的問題はありません。越境の方法に支障はありません」とトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣(Foreign Minister Mevlut Cavusoglu)は言いました。
コバネと周辺への数週間の空爆はクルド人戦闘員が街を固守させましたが、戦闘は火曜日も続き、地元YPG指揮官は、イスラム国が街の40%を支配するままだと言いました。
米中央軍司令部は火曜日に4回の空爆を行い、イスラム国の小部隊1個と戦闘陣地4ヶ所を破壊したと言いました。
記事は一部を紹介しました。
これで自由シリア軍の増援と合わせて、1,450人がコバネに来援したことになります。問題はイスラム国軍の現在の戦力と、今後の増援能力が分からないことです。クルド側がイスラム国を上回るなら、戦況は変わるはずです。クルド側が前進するか、膠着状態が続くのかを、よく見極めなければなりません。この週末の戦況がどうなるは、特に重要です。
クルド人がコバネの約半分を奪還して以来、戦線は膠着しているようです。両者の戦力は均衡している可能性が高いといえます。均衡と言っても、兵数が同じなのではなく、クルド側には街の地の利を生かすという利点があります。イスラム国に南にある高地からの砲撃支援があります。
シロポリからコバネまでは約370kmもあります。シロポリの飛行場は軍用で、平地をブルドーザーで均しただけの滑走路です。到着には数日かかるでしょう。大砲をどこへ設置するのかが気になります。多分、西郊外にある高地タル・シャイアかと思いますが、大事に使わないと、イスラム国側の砲撃で沈黙することになります。
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