パキスタンのタリバンがイスラム国を支持

2014.10.6


 BBCによれば、パキスタンのタリバンは、シリアとイラクのイスラム国を支援すると表明しました。

 イスラムのイード祭の声明で、タリバンはシリアとイラクのイスラム主義者に敵(アメリカ主導の同盟国)に対して団結するよう訴えました。イスラム国はシリアとイラクの大部分を支配しましたが、アルカイダ傘下のライバルグループとも戦っています。パキスタンのタリバンは1997年以来、パキスタン政府との内戦を戦っていました。

 テリク・エ・タリバン・パキスタン(Tehreek-e-Taliban Pakistan: TTP)の指導者、マウラナ・ファズーラ(Maulana Fazlullah)が発した土曜日の声明で、彼はシリアとイラクのイスラム国に宛て、「我々はあなた方の敵に対する征服を誇りに思います。我々はよいときも悪いときも、あなたたちと共にいます」「こうした困難な時代に、敵があなた方に対して団結しているのだから、我々はあなた方に耐えて、団結したままでいるよう要望します。競争は忘れてください」。声明は、世界的なイスラム社会は、困難な時代に「あなたたちを支持し、できることを手伝います」と言いました。

 イスラマバードにいるBBCのシャイマ・カリル記者(Shaimaa Khalil)は、これまではイスラム国とパキスタンのタリバンの間に合意がある証拠はほとんどなかったと言います。しかし最近、記者はパキスタン北西部のペシャワールで、イスラム国を賛美するパンフレットを配布する支援者が見つかったと言います。


 記事は一部を紹介しました。

 非常に心配な記事です。イスラム国とイスラム戦線の和解だけでも問題ですが、それにパキスタンのタリバンが結束すると、かなりの規模になります。アメリカの足を引っ張るために、アフガンへの越境攻撃を増やす可能性が十分にあります。

 これで中東も裕福な湾岸諸国と貧しい国々との間で分裂し、西欧とつながりが深い湾岸諸国とパキスタンやアフガンなどの貧困国との間でも戦争になる可能性が高まりました。一層の長期戦を予測しなければならないかも知れません。

 


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