コバネのイスラム国支配地域が半減
alarabiya.netによれば、コバネ(Kobane)でイスラム国戦闘員と戦うシリアのクルド人戦闘員は火曜日、中心部の建物数カ所からイスラム国戦闘員を追い出し、武器を押収しました。
前進は米主導の同盟国がコバネ中心部のイスラム国陣地に対して4回の空爆を行った数時間後に起きたと、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は言いました。クルド人民防衛隊(YPG)はイスラム国が使っている建物6棟を占領する間に特殊作戦を行いました。イスラム国戦闘員13人が死亡しました。クルド人は、RPGの弾薬、軽火器、狙撃銃、大量の重機関銃の弾薬を含んだ最大量の武器と弾薬を押収しました。
alarabiya.netによれば、クルド人戦闘員が占領した建物は、主要な地方自治体の建物があるコバネの戦略的位置に近いと、団体の代表、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdulrahman)は言いました。イスラム国戦闘員の死者13人には、攻撃を指揮していた上級指揮官2人を含みました。
クルド軍はここ数日の戦闘で別の進展を見たようです。先週、彼らはイスラム国が補給路として使っていた道路を封鎖しました。「ここ数日で、我々は東部と南東部で大きな進展を見ました」と、コバネ当局者のイドリス・ナッサン(Idris Nassan)は言いました。電話を通じて、彼はイスラム国は街の20%以下を支配していると見積もりました。先月、イスラム国は街の40%を支配していました。
米軍は月曜日に、先週末以降、コバネ周辺に9回の空爆を行い、イスラム国の陣地7ヶ所、物資集積所4ヶ所、グループに所属する部隊1個を破壊したと言いました。
BBCによれば、イラク軍はイラクのバイジ(Baiji)の精油所に到達し、イスラム国戦闘員をこの地域から追い出しました。
記事は一部を紹介しました。
コバネ戦はすでに書いているように、決着は着いています。あとはイスラム国がいつ追い出されるかだけが問題です。この戦いに関するレポートは、大体これくらいで十分だろうと思います。そろそろ別方面にも目を向けたいところです。
今回、武器弾薬の集積所を占領したのは、イスラム国部隊が大急ぎで撤退したこと、かなりの戦力を殺がれたことを意味します。かつ、すでに街への補給路は遮断していますから、その効果は絶大です。あとは時間の問題で、イスラム国はコバネから追い出されることになります。
イラクでもイスラム国の勢いが衰え始めています。
アフガニスタンと違い、イラクとシリアは大半が平坦な砂漠です。こうした場所へは特殊部隊のような小部隊の投入が行われますが、イラクとシリアには大量の陸軍部隊を投入しなければなりません。それを避けながら、テロ組織の勢力を殺いでいるのですから、これは新しい、大きな成果であり、軍事史に書き留められる偉業です。
昨日書いたように、レオン・パネッタ氏が指摘する、敵に手の内を明かさないという軍事常識は、正規軍ならぬ対テロ戦では成り立たないこと、現地にあてにできる地上軍があれば、地上戦を受け持ってもらえることが証明されつつあります。過去、高い代償を払いながら、米軍は遂に有効な手段を見出したのです。それには無人偵察・攻撃機などの発達が大きな役目を果たしたといえます。
こういう時期が長く続くと、海兵隊や陸軍の一部が地上戦がないことに不安を感じ始めます。自分たちの出番がないと、存在価値を否定されるという不安を彼らは持っています。その種の意見を目にしたときは、地上軍の関係者ではないかを疑ってみることです。
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