イエメンで部分的な人質救出に成功か

2014.11.28


 BBCによれば、アルカイダがイエメン東部で拘束した8人を今週解放した米軍とイエメン軍は、欧米の人質も捜しています。

 イギリス人、アメリカ人、南アフリカ人各1人は、いま2日前に移動させられたと考えられている5人の捕虜の中にいたと、両国の当局者は言いました。イエメン人6人、サウジアラビア人1人、エチオピア人1人が作戦で救出されました。アメリカの関与と人質の国籍については矛盾する報告がありました。

 最初に、イエメン政府はイエメン軍がアラビア半島のアルカイダ(AQAP)が拘束したイエメン人7人とアメリカ人軍事教官1人を救出したと言いました。しかし、米当局者はアメリカ人1人が解放されたことを即座に否定しました。

BBCの安全保障担当記者

フランク・ガードナー(Frank Gardner)の分析

 人質救出は危険なことで知られ、通常、成功の可能性が非常に高いと考えられるときだけ実行されます。米・イエメン軍の特殊作戦軍の救出作戦の報告が正しいなら、またしても、米主導の救出チームは場所は正しかったものの、タイミングを間違えたのです。この夏、イスラム国が拘束したジェームズ・フォーリー(ジェームズ・フォーリー)ら西欧の人質は急襲が行われる数日前に移動させられたのです。AQAPとされる誘拐犯は、さらなる救出作戦を妨害するために残る人質を分散し、警護を強化し、おそらくまた移動するでしょう。この種のシナリオでは2度目のチャンスは滅多にありません。

 ニューヨークタイムズ紙はその後、2ダースほどの米特殊作戦部隊がハドラマウト州(Hadramawt)の隔絶したハジャ・アル・サヤ(Hajr al-Sayar)の山洞窟への急襲を率いたと報じました。報道が人質の安全と将来の救出作戦を危険にさらすとの懸念から、米政府の要請で、同紙は軍がイギリス人、アメリカ人、南アフリカ人の人質がそこで拘束されていると考えたと報じませんでした。しかし、水曜日遅く、イエメン防衛省と関連するウェブサイト「26sep.net」は、救出作戦に参加したイエメン対テロ部隊のインタビューを発表しました。

 「アルカイダが毛布で隠された11人の人質を車で運ばれているのが目撃されたという機密情報が手に入るようになりました」とアブ・マーロウフ(Abu Maarouf)とされる兵士は言いました。約30人の特殊部隊員が火曜日の朝早くに洞窟から約7kmへ空輸されました。それから、彼らは4つのグループに分かれ、その一つは洞窟の入口を襲撃し、誘拐犯7人全員を殺しました。「我々は人質8人が鎖でつながれているのを発見しました。我々はアルカイダの携帯電話と書類を発見しました」。それから、人質の一人が彼らの仲間5人が2日前に知らない場所へ移動させられたと言いました。兵士は人質がアメリカ人、イギリス人、南アフリカ人、イエメン人、トルコ人らしい人各1人で構成されたと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 おそらく、報じられた救出作戦は実在し、人質は一部がまだ拘束されていると考えられます。イエメン側のフライングで発覚したのです。

 このように救出作戦は常に厳しい条件で行われます。オサマ・ビン・ラディンの急襲も同じですが、対象が情報通りにその場にいないと、作戦は空振りに終わります。また、状況が悪いと、アルジェリア人質事件のように、突入前にかなりの人質が殺されていたということもあります。

 最近、日本では自衛隊信仰が高まって、特殊部隊を使いたがる世論が醸成されているように感じています。これはとても危険なことです。他の作戦も、運用を誤れば、大きな被害を味方に強います。この記事の事例を参考に、我々は自分たちがどうすべきかを考えなければならないのです。

 


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