サドル師が配下の民兵にサマラ防衛を命令へ

2014.12.12


 alarabiya.netによれば、イラクのシーア派聖職者、ムクタダ・アル・サドル師(Moqtada al-Sadr)は、イスラム国配下の民兵からサマラ(Samarra・kmzファイルはこちら)を守るために警戒態勢にしました。

 サドル師の事務所は、発表はテロリストの軍団からの聖都サマラへの特別な状況と差し迫った危険に対応するためだと言いました。サドル師はシーア派の平和旅団に、48時間以内に聖戦招集に応える準備をして、さらなる指示を待つために、完全に準備するように命じました。声明は12月10日付けでした。

 サマラはイスラム国と戦うシーア派主導のイラク政府の矛先であるイラク軍とシーア派民兵の手中にあります。サドル師の平和旅団は2ヶ月前に街を去りましたが、最新の声明は彼らがイスラム国戦闘員が街の中心部そのものを侵略し始めるためにチグリス川沿いの街への道路へ配置されるなら、動員され得ることを示しました。

 イスラム国はバグダッドから125kmの街へ向かう東部と西部の砂漠道を支配します。イラク軍は南からサマラに続く道路を占拠しますが、その道路の側面に位置するムタジン(Mu'tasim)とイシャキ(Ishaqi)の町は大半が過激派民兵に支配されており、激戦が北部のムカイシファ(Mukaishifa)の村で起きています。

 サマラの軍作戦司令部のある大佐は、イスラム国はサマラへの直接攻撃か、北部のティクリート(Tikrit・kmzファイルはこちら)の戦いから政府軍を転用させる消耗戦を目論んでいるようだと言いました。サマラとティクリートはバイジ(Baiji・kmzファイルはこちら)と共に、バグダッドの北にあるサラハディーン州(Salahuddin)にあります。

 政府軍はイスラム国のバイジ製油所包囲を止めさせることに成功しました。しかし、彼らの支配は希薄です。カリド・アル・オベイディ国防大臣(Defense Minister Khaled al-Obeidi)を乗せた車列が月曜日にバイジを通過した際、銃撃を受けました。


 記事は一部を紹介しました。

 サドル師がサマラを守るのなら、その防衛は堅そうです。サドル軍は士気が高く、過去の実績からも、簡単にイスラム国には負けないと考えられます。

 イラク軍の大佐の見解にあるように、イスラム国の作戦はまだ内容が分かっていません。今後、徐々に動きが見えてくるはずなので、注目したいと思います。

 イスラム国が攻勢をかけている報道記事が減るようなら、それはイスラム国が衰退し、勢力を減らしていることの証拠です。冬にかけて、そういう情報が出てくるかがポイントになります。

 


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