クルド軍がイスラム国からコバネを奪還
BBCによれば、イスラム国はシリアの国境町、コバネ(Kobane)を失い、クルド人戦闘員は現在、その領域の60%以上を支配していると、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」の理事、ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)はいいました。
「イスラム国はクルド人が地雷を恐れて入らなかった地域すら放棄しました」。コバネのクルド人活動家、ムスタファ・エビディ(Mustefa Ebdi)は、前週の間、街を守るクルド人民兵は東へ最前線を前進していたといいました。イスラム国は街北部の占領していたクルド民兵司令部から、南部と中心部からも撤退しました。「クルド人の前進は、大半が連合軍による空爆のおかげです」とエビディはいいました。「自動車爆弾と自爆ベルトによる戦術が失敗した後、過激派たちはいま、トンネルを使っています」。
攻防戦で1,000人以上(大半は過激派)が殺されたと報告されます。
記事は一部を紹介しました。
陥落は時間の問題とされたコバネでしたが、見事に領域を奪還しました。これはそれほど不思議なことではありません。すでに何度も解説したように、客観的な分析はクルド人の勝利を予測できました。
地雷がある地域からも撤退したことは、地域を支配し続けられなくなっていることを連想させます。トンネルは市街戦でしばしば用いられることがあります。地下を通って安全に別の場所へ移動し、戦力を補充したり、奇襲をかけたりするのです。
空爆ではイスラム国を排除できないという主張がなされていましたが、それは空爆だけで対処した場合の話です。優れた地上軍が現場にある場合、空爆は有効な攻撃手段なのです。
イスラム国は反政府派の手が薄いシリア東部で勢力を伸ばし、そこでイラク軍の脆弱さに気がついたのでしょう。一気にイラクに攻め込み、領域を拡大し、斬首映像で世界を震え上がらせました。これはバブルみたいなもので、すぐにメッキが剥がれたというわけです。
このように、正確な軍事知識を持つことは、情勢の急変に惑わされず。敵が放つ情報戦にも負けないことにつながるのです。現在、日本の保守派は急速に右傾化していますが、彼らの意見を聞くと、軍事をまったく理解していないか、中途半端なことが分かります。これでは無用な戦いに足を突っ込むだけです。
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