ISISがアレッポ州からラッカ市に撤退

2014.3.1


 BBCによれば、シリア北部の武装組織「イラクとレヴァントのイスラム国家(The Islamic State of Iraq and the Levant: Isis)」は、対立グループから最後通告を受けた後で、ラッカ市(Raqqa)の方へ後退しました。

 アル・ヌスラ戦線(The Nusra Front)は、調停を受け入れるか、シリアから追放されるかについて、土曜日まで猶予を与えました。

 最新の報告は、ISISがアル・ヌスラ戦線の脅迫を真剣に受け取っていると、BBCのセバスチャン・アッシャー(Sebastian Usher)は言います。

 ISISはアレッポ州(Aleppo province)の、攻撃に耐えられない恐れがある陣地から戦闘員を引き揚げたように見えます。インターネットに投稿されたビデオ映像は、住民がISISの戦闘員が街を去って喜ぶ姿を示すと言います。ISISは、主要拠点のラッカ市周辺を防護することに集中しているようです。


 記事は一部を紹介しました。

 ISISの動きがアル・ヌスラ戦線の警告を受け入れたものか、その逆かを考えなければなりません。

 軍事常識的には、これは後者です。

 警告を受け入れる気があるのなら、これまでの配備位置から動く必要はありません。アル・ヌスラ戦線は、直ちにシリアから出て行けとは言っておらず、聖職者の判断を受け入れれば、制裁はしないと言っているわけです。

 ところが、ISISは防御を強化する態勢をとりました。分散している部隊を集め、ラッカ市で防衛拠点を強化したのです。これは攻撃を想定して、分散している部隊が、各個に撃破されるのを防ぐための態勢です。

 よって、アル・ヌスラ戦線の警告は拒否されたということなのです。この先に、何が起きるかは、先に私が予測したとおり、外国人過激派の共食いです。予想通りなら、シリアにとってはよいことです。


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