ウクライナ国境にロシア軍4万人 が集結

2014.4.11


 BBCによれば、NATO軍はここ数週間にロシア軍がウクライナ国境に集結したことを示す衛星写真は正確だと主張しました。

 先に、ロシア当局者はこの写真は昨年8月に行われた軍事演習を表すと言いました。NATO軍は、木曜日に公開した衛星写真は約40,000人のロシア軍が3月末と4月初旬に国境近くにいることを示すと言います。それらは最新型の軍用機とヘリコプターも示します。木曜日遅くに出された声明で、NATO軍は、ロシアが古い写真だと主張した追加の写真を公表すると言いました。

 ロシアとつながりが強い、主にロシア語を話す地域である東部で、分離主義者は自治に関する住民投票を要求しています。ドネツク(Donetsk・kmzファイルはこちら)で、彼らは人民共和国を宣言しました。ルハンシク(Luhansk・kmzファイルはこちら)では、抗議者の中に銃を持った者がみられました。

 military.comによれば、NATO軍は、ウクライナ国境に張り付くロシア軍は、ウクライナ東部の混乱に関係のない、定期的な軍事演習を行っているというロシア政府の主張に反論するために衛星写真を公表しました。

 写真は、軍用機、戦車、機械化部隊が、高い即応体制でウクライナ国境の100ヶ所以上の間に合わせの基地に駐車するのを示すとNATO当局者は言いました。彼らは部隊が演習を行っている証拠はないと言いました。

 NATO軍最高司令官、フィリップ・ブリードラブ空軍大将(Gen. Philip Breedlove)は、彼はウクライナに対するロシアの動きに対処するために、来週までに同盟国から仕事を課されたと言いました。ブリードラブ大将は、彼の勧告はモスクワから脅威を感じる東ヨーロッパへの米軍派遣を含み得ると言いました。ブリードラブ大将は、次の火曜日に出すことになっている計画の中で、アメリカを含めた国による関与は書かないと言いました。「基本的に、我々が見ているのは、我々の最東端の同盟国のために保証を構築する陸海空の方策のパッケージです」。

 ベルギーのNATO司令部で、当局者は衛星写真は、ウクライナへ脅威を及ぼすロシア軍の増強に対する誤解に対抗するために公表されたと言いました。NATO危機作戦センターの指揮官、ゲーリー・ディーキン准将(Brig. Gary Deakin)は「私はこれが非常に高い即応体制があり、道路と通信線に近く、命令を受ければウクライナに移動する資源を持つ軍隊であると評価します」と言いました。「それは駐車し、停車していますが、非常に素早く動けます」とディーキン准将は言いました。

 ある写真は、ウクライナから93マイル(150km)の空軍基地、ブトゥルリノフカ基地(Buturlinovka・kmzファイルはこちら)を示すとされ、かつては活動していなかったのに、写真はSu-27、Su-30、Su-24、MiG-31を含めた、1ダース以上の軍用機が駐機しているのを示すと、ディーキン准将は言いました。国境から25マイル(40km)のベルゴロド(Belgorod・kmzファイルはこちら)を撮った別の写真は、攻撃及び兵員輸送ヘリコプター21機、機械化ライフル連隊とされるものの存在を示すと准将は言いました。

 military.comによれば、火曜日のフェイスブックへの投稿で、ロシア外務省は民間軍事会社、グレイストーン社(Greystone Ltd.・ブラックウォーター社の旧系列会社)が提供した約150人のアメリカ人がウクライナ兵に偽装して、ウクライナ南東で活動していると言いました。「この挑発の組織者と参加者はウクライナの罪なき市民の権利、自由、生命とウクライナの安定に対する大きな脅威を作り出している責任を負います」。

 水曜日、グレイストーン社への電話には直ちに返事はありませんでした。

 ウェブサイトによれば、グレイストーン社は最近、ロシア、コーカサス地域、ウクライナ南東部で要人警護サービスの契約を与えられました。


 記事は一部を紹介しました。

 やっと、ロシア軍の増派について詳細が分かる記事が出てきました。兵数は4万人で間違いないでしょう。

 衛星写真が去年のものだというロシアの主張は、あまりにも馬鹿げており、信じるに値しません。今時、こういう主張は誰も信じないのです。まるでかつての冷戦時代のソ連のコメントみたいです。

 Google Earthのブトゥルリノフカ基地の写真は2013年6月に撮影されたものですが、確かに、一機も航空機は見えず、基地は使われていないように見えます。そこに航空機が配備されているというのは実に重要な情報です。

 ベルゴロドはハリコフに幹線道路でつながっており、空路でも陸路でもウクライナに侵攻できる位置にあります。ここを指摘したのは、NATO軍がここへの配備を知っていることをロシアに知らせて、彼らを牽制するためです。ルハンシクに通じる道路に接する都市にも、ロシア軍は同じように配備しているはずですが、国境により近いハリコフの方を指摘するに留めているのです。

 ロシア外務省がフェイスブックに書いた話も信じるに値しません。この地域でグレイストーン社が活動していることから思いついた偽情報です。あまりにも古くさい手なのには驚きます。同社のウェブサイトも見ましたが、ニュースは現在、すべて削除されています。ロシアが利用しているのを知って削除したのかも知れません。

 ロシアは安全保障に関しては、過剰なまでに神経質な国です。クリミア半島を手に入れるにしても、それだけで活動は終わりません。さらなる圧力をかけ、既成事実をしっかりと固めないと気が済まないのです。

 あるいは、逆に考えると、ウクライナがロシア領土に侵攻し、クリミア半島の失地分を取り戻そうとするのを防ごうとしているようにも見えます。それを判断するには、公開されている情報だけでは無理で、さらに情報を見る必要があります。


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