ウクライナ軍の対テロ作戦の進捗は?
BBCによれば、ウクライナのオレクサンドル・トゥルチノフ暫定大統領(Olexander Turchynov)は、対テロリズム作戦の開始を発表しました。
彼は議会に、作戦が火曜日の朝、ドネツク地方北部で始まり、段階を踏んで、確実で熟慮された方法で行われていると言いました。作戦の範囲は不明ですが、ロシア報道機関の未確認の報告は、分離主義者の言として、ウクライナ軍の機甲部隊が渦中の町、スラビャンスク(Sloviansk)とクラマトルスク(Kramatorsk)の近くを移動していると報じました。戦車と装甲兵員輸送車が月曜日、スラビャンスクから70kmに駐車しているのを目撃されました。
他に、スラビャンスク近くの、少なくとも1ヶ所の分離主義者の検問所が夜間、車に乗った正体不明のガンマンによる銃撃を受けましたが、負傷者はいない模様です。
記事は一部を紹介しました。
記事にはオバマ大統領とプーチン大統領の電話会談が中心に書かれていますが、ここでは省略し、対テロ作戦に関係する部分だけを抽出しました。
私は水面下でロシアへの通告は済んでおり、作戦はすぐに開始されると思いました。しかし、作戦開始の発表後に米ロ大統領が電話会談しているのを見ると、そういう交渉はなかったのかも知れないとも思います。
そして、気になるのはトゥルチノフ大統領の言です。「段階を踏んで、確実で熟慮された方法で」という言葉から、攻撃が行われるのには、まだ時間がかかるのだと推測できます。スラビャンスクから70kmにウクライナ軍がいるのなら、作戦はまだ情報収集の段階です。
また、これはロシアの出方を見るために、意図的に設定した時間かも知れません。ウクライナ軍を動かし、それにロシアがどう対応するのかを確認しているのかも知れないのです。ロシア軍は偵察衛星や通信傍受などから、ウクライナ軍の作戦がどの段階にあるのかを調べます。もし、ロシアが侵攻のために親ロシア活動家を扇動しているのなら、ウクライナ軍が行動に出た段階で侵攻を開始するでしょう。ウクライナ政府はNATO軍に偵察衛星や通信傍受の情報を要求し、提供を受けているはずです。ロシアは当然、そのことを理解しています。ロシア、ウクライナ、NATO軍は、こうした環境の中で、慎重に動くはずです。
ロシアは介入しないという私の推測が正しかったかどうかは、まもなく判明するはずです。
また、事件が起きている街だけが戦闘状態にあるのではありません。国境のウクライナ軍は、ロシア軍の介入を想定し、いま最高度に緊張しています。建物を占拠した活動家にばかり目を向けると、全体像が見えなくなります。
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