国連が民間人と平和維持軍への攻撃を非難

2014.4.20


 BBCによれば、国連は南スーダンの基地に対する攻撃は戦争犯罪になると言い、怒りを表明しました。

 武装した若者による木曜日のボル(Bor)の攻撃は、子供を含めて少なくとも58人を殺しました。国連は、約300人の集団が「いわれのない攻撃」で基地に侵入したので、平和維持軍が撃ち返したと言いました。

 国連は「安保理のメンバーは最も強い言葉でこうした行為を非難し、民間人と国連平和維持軍への攻撃は戦争犯罪となることを強調しました」と言いました。「安保理のメンバーは南スーダン政府に民間人すべてと南スーダンの国際連合南スーダン派遣団(UNMISS)の民間人保護施設の安全を確保する手段を講じ、迅速にこれらの事件調査し、これらの甚だしい行為の犯人たちを裁判にかける準備を要請しました」。攻撃で約100人も負傷し、死者は増えるかも知れないと国連は言いました。南スーダン担当国連高官、トビー・ランザー(Toby Lanzer)は、インド、ネパール、韓国の平和維持軍の行動を称賛しました。


 記事は一部を紹介しました。

 この国連の声明で、国連も犯人は反政府派だと考えていることが分かります。政府派が犯人なら、調査を要請したところで、南スーダン政府が真面目にやるとは思えません。

 現在までの死者は58人ですが、さらに増える予測が出ていることから、重傷者がいることも分かります。非常に重大な攻撃だったと言えます。国連施設への直接攻撃という点でも、事態は重大です。ここは南スーダン政府に調査を求めるだけでなく、国連が独自に調査する必要もあります。元々、南スーダン政府もあまり信用できないのですから。

 民間人の被害が大きく、国連軍の被害が小さかったということは、犯人たちが、素早く基地へ侵入し、民間人へ発砲し、国連部隊が対応する前に逃げたということです。最初から、そのような「ヒット・エンド・ラン型」の計画だったことが窺えます。多分、犯人たちは国連部隊との交戦は想定していなかったのでしょう。

 さらに、日本は現地に派遣している自衛隊の安全を考える必要があります。首都付近は安全という主張がどこまで通じるのか。これまでも首都に対する攻撃が起きていることを考えれば、自衛隊も安全とは言い切れません。しかし、ここ数日は、韓国で起きたフェリー事故の報道ばかりで、どのマスコミも派遣隊のことなど気にしていないかのようです。政府からも、何の声明も出ていません。派遣隊の家族に対して、どのような連絡が行っているのかは知りませんが、支援態勢の中身も気になっています。


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