アメリカが南スーダン制裁に乗り出す

2014.4.5


 BBCによれば、バラク・オバマ大統領(President Barack Obama)は、南スーダン紛争を悪化させる者に対する制裁を承認する大統領命令に署名しました。

 この命令は、国連平和維持隊を攻撃すること、人権侵害を行わせることを含めた、制裁を科せられる罪のリストを明記しています。

 大統領命令は、南スーダンの平和、治安、安定を脅かすこと。和平会談を妨害し、子供兵を徴用することを含め、多くの罪に参加する個人と実在物の両方に対する制裁を承認します。

 「アメリカは南スーダンの未来を任させる者たちが国民よりも彼ら自身の利益を優先することを傍観しません」とホワイトハウス公報、ジェイ・カーニー(Jay Carney)は言いました。「南スーダン政府とレイク・マハル氏(Riek Machar)の反政府派は、包括的和平プロセスに参加して、やり抜き、この紛争を解決しなければなりません。南スーダンの国民は平和を求めています。言い訳をしたり、遅らせる余地はありません」と言いました。

 欧州連合と国連安保理も同様の行動を検討しています。


 記事は一部を紹介しました。

 日本政府は自衛隊を南スーダンに派遣して、その政府を支援しているとだけ主張してきました。しかし、アメリカは一歩先へ進み、和平に協力しない者は、政府派、反政府派を問わずに制裁を行うと宣言したのです。これで、外務省主導の南スーダン政策は変更を余儀なくされるでしょう。

 こんな風に、海外の動きは日本人が考えるよりも流動的です。自衛隊は日本国内で撤退を求める意見が出ないように、南スーダンが安定しているという情報だけを公表してきました。しかし、アメリカがこういう大統領命令を出す必要があるほど、事態は深刻なのです。この記事は多分、日本国内ではほとんど報道されず、誰も現地の危険を知ることもないでしょう。

 これが日本の国際協力の実態です。飽食の国民を適当に納得させることだけが政府の関心事です。いつか、大きな失敗をして初めて誤りに気がつくことになるに違いありません。


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