南スーダン停戦発効も、双方が互いを非難

2014.5.12


 BBCによれば、南スーダンのレイク・マシャル氏(Riek Machar)はBBCに、政府が停戦を破ったと主張するものの、依然として和平協定を約束すると言いました。

 彼は政府とのさらなる対話を望むとしながらも、サルバ・キール大統領(President Salva Kiir)が彼と戦う軍隊の一部を支配していないと主張しました。南スーダン政府は先に、反政府派が停戦にひどく違反したと主張しましたが、停戦は守ると言いました。約5百万人の国民が大量の飢餓に直面して、緊急支援を必要としています。

 マシャル氏はエチオピアの首都、アジスアベバで、BBCの番組「HARDtalk」と同アラビア語放送のために話しました。「我々は南スーダン国民のために彼と交渉するでしょう。我々は交渉し、政治敵解決に達するでしょう」「最終的に、政府は署名前に拒否していた対話の議題を受け入れるでしょう。我々もこの議題を受け入れました」。

 反政府派指導者は、政府軍がユニティ州のベンティーウ(Bentiu)を含めた5ヶ所で攻撃を始めたと非難しました。マシャル氏はキール大統領が、ウガンダ軍とダルフールの戦闘員と同じく、軍を完全に支配していないと主張し、彼が民族の憎悪をかき立てたと訴えました。

 先に、南スーダンのマイケル・マクエイ情報大臣(Information Minister Michael Makuei)は、反政府派が停戦を破ったと非難しました。しかし、BBCアフリカに対して、マクエイ大臣は政府が合意に従い、尊重し続けると強調しました。「彼らが約束を尊重し、守るようにするため、我々は国際社会に反政府派に圧力をかけるよう求めます」。

 双方が攻撃を始めたことは独自に確認されていません。


 記事は一部を紹介しました。

 停戦が発効したものの、政府側も反政府側も相手を非難することに終始し、到底、停戦が継続するとは思えません。実際に、停戦成立後に戦闘があったかは分かりませんが、少なくとも、相手が攻撃したと主張して、停戦を反故にする理由を探り合っていることは確認できます。これで、何日、何週間、何ヶ月、停戦が維持できるのでしょうか。

 外務省は内閣に「停戦が実現した。自衛隊派遣の効果が出た」と報告しているのでしょうか。これで南スーダンへの日本の影響力が増すとか、国際社会での日本の地位が向上するとか、能書きを並べているのかも知れません。見せかけの平和でも、マスコミを納得させる程度の力はあります。まして、日本国民は簡単にだませるでしょう。一連の経緯を説明して、自衛隊派遣が和平実現に役立ったと思うかというアンケートを採れば、軽く過半数は「はい」と答えることでしょう。

 戦いの常識からすれば、この内戦はさらに続くとしなければなりません。


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