いつの間にか集団的自衛権の行使事例を修正?
毎日新聞 によると、政府が27日、自民、公明両党の「安全保障法制の整備に関する与党協議会」に提示する15事例で、集団的自衛権の行使に関し、北朝鮮が核ミサイルで米国本土を攻撃する事態を想定していることが分かりました。
このうち、名指しは避けているものの北朝鮮の弾道ミサイル攻撃への備えに関する例として4事例を提示。北朝鮮にミサイル発射の兆候があるものの、武力行使に踏み切っていない段階(グレーゾーン事態)では、自衛隊の装備などを守るための自衛隊法の規定「武器等防護」を適用し、米艦を防護する可能性を示唆しました。
武力行使発生後は、北朝鮮が米領グアムやハワイ州に弾道ミサイルを発射した場合、日本の上空を通過するため、集団的自衛権を行使し、迎撃するよう求めています。
さらに、米本土が攻撃された場合の非戦闘艦防護に加え、日本近海でミサイル防衛のため警戒にあたる米イージス艦の防護を集団的自衛権を行使し自衛隊が行うべきだと指摘しています。
記事は一部を紹介しました。
以前は、北朝鮮からアメリカ本土に向けて弾道ミサイルが撃たれると日本上空を飛ぶから、それを撃墜しないと、日米関係が壊れると政府派説明していたはずです。それは誤りで、米本土を攻撃した場合、ミサイルは日本上空を飛ばないと、当サイトは指摘してきました。それがいつの間にか「ハワイとグアムのみ」に変更されています。多分、防衛省から指摘が入ったのでしょう。それでも、元々が結論ありきの集団的自衛権なので、大したことではない、ハワイとグアムには米軍基地があるから攻撃目標になり得ると、主張に変わりはないということのようです。
こんな大ざっぱな議論でよいとは思えません。元々の主張からして、この事例を考えた人は弾道ミサイル戦略の基礎すら分かっていないのです。日本という国で、そんな人物の意見が国策として通るのは情けないとしか表現しようがありません。
米イージス艦の警護はそのまま含まれているようです。米イージス艦を自衛隊の艦船が護衛するような事態は、第7艦隊がほぼ全滅でもしない限りは現実にならないでしょう。
日本は愚かな議論が正論として通る国になってしまったということです。
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