ヘーゲル長官が捕虜交換に関して議会で答弁

2014.6.13


 military.comによれば、チャック・ヘーゲル国防長官(Defense Secretary Chuck Hagel)が、バウ・バグダール軍曹(Sgt. Bowe Bergdahl)の解放に関して、議会で答えました。

 ヘーゲル長官は、議会に通知しない捕虜交換を進める決定は合法で、バグダール軍曹の安全を確保するために必要だったと言いました。交渉は1月に始まりましたが、5人のタリバン指導者を釈放するという決定は5月27日までなされなかったと言いました。

 「これは異常な状況でした」「我々は24時間前までに引き渡しの場所を知りませんでした。1時間前まで正確な場所を知りませんでした。そして、タリバンが取引の結末をそこに持ってくるということを、バグダール軍曹が米特殊部隊に安全に引き渡されるまで分からなかったのです」と長官は言いました。

 国防総省の顧問、スティーブン・W・プレストン(Stephen W. Preston)は政治家たちに、国防総省はオバマ大統領が議会に通知しない決定を承認する件で、司法省の法律顧問にガイダンスを求めたと言いました。「我々は法律を無視しませんでした」「我々は、この環境の異常な組み合わせへ適用するという法的な問題について、法的なガイダンスを求めました」。


 主にヘーゲル長官の回答で重要な部分だけを紹介しました。

 議会への通知をしなかったのは、バグダールの解放に関する情報が少なかったためとヘーゲル長官は答えたようです。記事によると、追求した議員は、政府は捕虜の釈放の30日前までに議会に通知しておらず、2014年の国家防衛承認法の1035条に違反していると指摘しました。

 記事は答弁のすべてを書いていないのかも知れませんが、30日以上前に議会に通知しなければならないのですから、バグダールの居場所の有無よりも、タリバンの態度がはっきりしないことが原因だったのかも知れません。取引が行われるかどうかが分からないので、通知ができないということかも知れません。

 法的には、米軍人の命に関係する場合、議会への通知をしないことは許されるという考えがありそうです。米政府はそれで批判を回避したいのです。

 タリバンがどこでバグダールを引き渡すかを言わなかったのは、恐らく、カタールのタリバン事務所との電話を盗聴されることを恐れたのでしょう。万一にも、米軍に先回りされることのないように、攪乱したのだと思われます。


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