米軍はISISの進撃を止められるか?
BBCがアメリカがイラクのISISを空爆した場合のリスクについて報じました。
目標への攻撃
ISISがバグダッドに向けて急進するのなら、米空軍の行動はより起こりそうになります。しかし、ISISが大半が軽車両に乗った、すばやく動く部隊です。ある種の環境では、彼らを移動中の民間人から区別するのは難しいかも知れません。アメリカ人は目標を指定し、特定するのを助けるためにイラク軍と共に特殊部隊チームを戦場に置くでしょうか?。
どれだけ広範に攻撃するか?
ISISはそれ自身の文書によると、明確な構造を持つ、特別にうまく組織されたグループです。アメリカ人はそれをどれだけ知っているでしょうか?。彼らはISISの指導層を、おそらくは無人攻撃機を使って攻撃しようとしないでしょうか?。地理的に、攻撃はイラク領内に限定されるか、国防総省がシリア国内の関連するISISの目標を攻撃することを許可するでしょうか?。ISISは実質的に2ヶ国の境界を無関係にしました。
政治的環境
イラクのヌーリ・マリキ首相(Prime Minister Nouri Maliki)は、ワシントンでは様々な点で、彼自身の不幸(政府への腐敗と派閥的手法を追求したこと)の作者と見られています。アメリカはイラクで政治がより包括的なやり方になることを望んでいます。一部のスンニ派は政府を支えています。しかし、ISISの猛攻撃は国内のより幅広い不満も表し。その成功もより広いスンニ派層に不平の感覚をアピールすることに依存しています。マリキ首相を支えるように見えるアメリカの空爆は成功しがたいでしょう。これらすべての理由により、オバマ大統領の傾向は攻撃を止めるかも知れません。マリキ首相がアメリカの空軍力の介入なしにISISの攻撃を止めることができれば、ずっとよいでしょう。しかし、イラク軍が状況を安定させることに失敗し、ISIS自身が無理をして失敗しない限り、米政府は米軍の攻撃機に行動を起こすよう命じなければならないと感じるかも知れません。
記事は一部を紹介しました。
目標を特定することの困難さの他に、マリキ首相の政治的性格がワシントンの判断に影響を与えている点を指摘しているのが興味深いですね。
まさに、それはこの戦いの根幹部分だと思います。ISISはマリキ首相がまき散らした不満を栄養にして育っています。冷遇された元イラク軍兵士が多数ISISに参加していると言われます。空爆しても得られるものは少ないとワシントンが判断するのも道理です。
しかし、米国内の議会では、それをオバマ政権の怠慢だと見る人たちが出るでしょう。アルカイダをはびこらせれば、いずれアメリカ人に対する暴力が起きるという判断もまた正しいのです。
その一方で、戦闘が起きているのは中東であり、目の前に迫った危機には見えないという点で、こうした懸念は一部の人たちだけに留まります。その結果、この問題に対して焦点が定まることもなくなります。国際的テロへの対処が遅れるのは、こういう構造があるからです。
さらに考えると、イランがイラクへのてこ入れを本格化し、アメリカの代わりにISISというアルカイダの分派と戦ってくれるかも知れません。かつてなら考えられない構図ですが、それが現実化するかも知れません。
アフリカや東ヨーロッパの紛争も合わせ、国際情勢は今後、一層不安定になる可能性があります。まさに世界は激動の戦国時代であり、島国である日本は、その動きについて行けていません。のどかな集団的自衛権の議論をやっているだけで、目の前の紛争に注意が行っていません。地勢的に大きな失敗をする環境にもない、というか、大きな失敗をしても目立たない環境にあるため、誰かが大失敗をやるまでは、何の反省もなく現状が続けられることになります。
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