アメリカがイラクに軍事顧問300人を派遣
military.comによれば、さらに米軍がイラクに介入することは、紛争を長引かせ、イラクを不安定にすると、2004年にタル・アファル(Tal Afar)に派遣された退役軍人で『平和の退役軍人(Veterans for Peace)』のメンバー、マット・サウスワース(Matt Southworth)は言いました。
「私の経験は、外国の軍隊は、特にアメリカ主導の場合、急進的グループの解決するのを難しくし、より小さな宗教的グループをアメリカのかなりの支援を受けた、彼らが非合法のイラク政府と見るものとの戦いに統一させるだけだと教えます」とサウスワースは言いました。
元情報アナリストのサウスワースは、イラクの暴力を収める5つのステップを示しました。
もう一つの米軍介入を拒否する
イラクへの無制限の軍事支援を止める
イラクとシリアの武器通商禁止を確立するための会議を召集する
人道支援活動を増やし、戦争で影響を受けたイラク人の基本的な要求に向けた資金提供をする。
紛争の主要派閥間の包括的な政治的安定化を公に支援する。
「1970年代にアメリカがイラクに関与するようになってから、問題の一部であることが多く、イラクの政治的、民族的、宗教的、資源的な問題の解決の一部ではありませんでした」とサウスワースは言いました。
退役軍人はナショナル記者クラブで話し、この地域でのアメリカの介入の徳義を疑問視しました。
「どんなイラク政府への継続的支援や軍事介入も受け入れられず、極度に不道徳です」と、ファルージャの二度目の包囲戦を戦った退役海兵隊員、ロス・カプティ(Ross Caputi)は言いました。彼は「反戦イラク帰還兵(Iraq Veterans Against the War)」のメンバーで、イラク人への償いに特化したグループ(ISLAH)の理事です。アラビア語で「islah」は修繕や改善という意味があります。
イラク政府はアメリカの支援で政治的反対を抑圧してきたとカプティは言いました。彼はそれより、アメリカは戦争の結果、負傷したり、健康問題をもったイラク人の人道支援に集中すべきだと言いました。
イラクに二度派遣され、PTSDにかかった陸軍兵士の父親のティム・カーラー(Tim Kahlor)にとって、イラクにさらに兵を送らない理由は単純です。アメリカは自分自身のことに集中すべきなのです。
彼は言いました。「こちら側では、我々の子供たちはひどい姿で帰って来て、我々には彼らの面倒を見る資金すらありません」「そして我々は、街角の帰還兵の面倒が見られないのに、さらに金をさらにイラクに行く人たちに、アフガニスタンにいる人たちを維持するために使うことを話し合っています」「私は(イラク戦争の)政治学と本質など知りません」「親として、私は彼らを帰還させた時に何が起きたか、彼らがもはや正常ではないことだけは知っています」。
記事はほぼすべて紹介しました。
軍人向けの新聞にこんな記事が載ることが驚きですが、最初に掲載されたのが、米軍の機関誌「Stars and Stripes」だというのは、さらに驚きです。
ブッシュ政権がイラクに介入した当時の記事と比較すると、唖然とします。当時はイラク介入を疑う意見は見られませんでした。
アメリカのパターンが踏襲されているのを見る思いです。ベトナム戦争のあとも、退役軍人が反戦に転じたり、自分が与えた被害を補償しようとする動きがありました。やり過ぎて反省し、謙虚になりすぎることが、アメリカにはあります。
ISISを撃退するために必要な要員を派遣することくらいは許容されるべきと思います。サウスワース氏の言うことも適切ですし、和平への努力も続けるべきです。
ただ、反省しすぎるのも問題を生む場合があります。日本の平和主義も、政府が戦争に向けて動き出すと力を発揮できません。先日、集団的自衛権の議論で「集団的自衛権を認めれば、太平洋戦争で被害を受けた沖縄が真っ先に攻撃される」と発言する人をテレビで見ました。これは軍事的には脈絡のない主張で、こうした発言は集団的自衛権を逆に後押しするでしょう。
戦争に関しては、常に戦いの実態に合わせて検討していく必要があります。
ちなみに、今朝はアーリントン国立軍人墓地で男性が銃で自殺する事件も起きています(記事はこちら)。今のところ、男性の身元は分からず、戦争と関連した自殺かは不明ですが、その可能性は排除できません。
|