バグダールは自らの意志で失踪か

2014.6.7


 military.comによれば、高まりつつあるバウ・バグダール軍曹に対する批判を報じました。

 バグダールはアラスカ州、フォート・リチャードソン基地(Fort Richardson)の第25師団第4旅団戦闘団第501空挺歩兵連隊第1大隊と共にパクティカ州(Paktika)で勤務中に失踪しました。国防総省の記録とicasualties.orgによれば、2009年6月30日から9月11日から第1大隊のメンバー6人がパクティカ州で殺されました。国防総省はバグダールの捜索任務の結果として殺されたことを認めませんでした。

 バグダールは失踪時に彼の武器と防弾服を置き去りにし、彼はアメリカの戦争遂行に幻滅し、アメリカ人であることを恥じると言ったとされます。

 ヨシュア・プラル海兵伍長(Marine Cpl. Joshua Prall)は「一部の人たちは彼がパトロールの最中に、退却した後で拘束されたと言いました。彼がパトロール中なら、防弾服と武器を持っていたはずです。私はパトロール中に、武器を持っていない時はありません。それは意味がありません」と言いました。

 彼を裏切り者だとみなす嫌がらせの手紙と怒りの電話が溢れた後、バグダールの故郷、アイダホ州、ハイリー(Hailey)は4日、帰還祝賀会を取り止めると発表しました。イベント主催者は8,000人の町には、大規模な妨害の脅威に対処する資源はないと発表しました。

 ごく少数の兵士は、バグダールを取り戻すためにタリバン指導者5人を釈放するというホワイトハウスの決定に同意します。「民間人がそれをどう見るかには違いがあります」とフォート・ブラッグ基地の将校は言いました。「我々はトレードされるとは思っていません。我々は救出されるか、釈放されるか殺されるかだと思います」。タリバンのメンバーを釈放したことは、アメリカがテロリストと交渉するというメッセージを送り、敵勢力が将来アメリカ人を捕らえようとすることを奨励すると彼は言いました。「続く2ヶ月の間に、私の部隊は派遣されます」「私は部下の1人が追い詰められ、連れ去られることを心配します」。


 記事は一部を紹介しました。

 この記事で、バグダールが自らの位置で、基地から武器を放置して、出て行ったことが分かります。しかし、そのために6人が死んだのかは分かりません。私が調べたところでは、記事の時期に死亡した5人を確認できました。死因はIED攻撃のみが3人、IED攻撃とPRGが1人、不明が1人です。1人足りないのは、icasualties.orgのデータベースが死亡した場所で登録されているからでしょう。パクティカ州で負傷し、ドイツの医療センターで死亡した場合はパクティカ州ではなくドイツと記録されます。最初に死んだのは8月18日でバグダールが失踪した6月30日から2ヶ月近く離れています。任務はバグダールの捜索だったとしても、関連性は薄いかも知れません。

 バグダールは暗視ゴーグルを持っていったのかも知れません。他の記事で、同僚に暗視ゴーグルを紛失した場合はどうなるかと尋ねており、暗視ゴーグルを置いていったという記述はありません。夜道を逃げるために、それを持っていった可能性はあります。

 しかし、周囲にタリバンが大勢いる場所で失踪して、彼は何をしたかったのかが分かりません。単に、基地にいるのに耐えられなくなり、とにかくその場から離れたかったのか、どうにかしてアメリカに帰ろうと思ったのか。

 国防総省は裁判が控えているために情報を出しません。周辺からの情報ばかりで、我々はそれに困惑させられがちです。記事に書かれているように、感情的な反応を示しているアメリカ人のような態度は取るべきではありません。こういう時こそ、冷静な態度が必要です。


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