サウジ国王が新イラク首相を祝福

2014.8.13


 alarabiya.netによると、サウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ国王(King Abdullah bin Abdulaziz)は火曜日、いらくの首相候補に指名されたハイダル・アル・アバディ(Haidar al-Abadi)を祝福しました。

 「アブドラ国王は、我が国の兄弟国のイラクの首相に指名されたアバディを祝福するために、コミュニケを送りました」と国営通信社は言いました。「私は首相の座に指名されたことであなたを祝福し、あなたの成功と、あなたがイラク国民の統合の再確立とイラクの統一と安定を維持するのを神が助けるよう祈ります」とアブドラ国王はメッセージの中で言いました。また国王は、新しい首相の下でイラクがアラブ世界とイスラム世界の中で然るべき一に帰り着くのを見たいと言いました。

 アブドラ国王はイラクのサリム・ジャボウリ議会議長(Parliament Speaker Salim Jabouri)とフアード・マスーム大統領(President Fuad Masum)にもコミュニケを送りました。マスーム大統領へのメッセージの中で、アブドラ国王は大統領選挙の勝利とアバディ氏を首相に選出したことを祝福しました。

 alarabiya.netによれば、オバマ政権は火曜日に、さらに米軍の顧問をイラクに派遣するかも知れません。匿名を希望した米当局者数人は、この日の後刻、少なくとも軍人70人を派遣する決定が出されそうだと言います。政権内での議論はまだ続いており、最終決断はなされていません。


 記事は一部を紹介しました。

 すでに、イラン政府もアバディ氏を歓迎する声明を出しています。マリキ首相は支援国大半の支持を失ったことになりますが、退陣を拒否しています。イラク軍を味方につけて、配下の特殊部隊に市内の一部を封鎖させました。

 これによって、米軍顧問とイラク軍の間にいざこざが起きるかも知れません。イラク軍幹部が現状をどう考えるかがポイントです。彼らがマリキ首相を見限れば、彼も終わりですが、多分、そういう展開になると思われます。

 イランまでがアバディ氏を支持したのは、やはりISISを脅威と見て、クルド人にテコ入れするのが正しい選択だと考えたからでしょうか。この展開は感慨深いですね。かつての敵国同士が共にISISに対抗する動きができつつあるのかも知れません。しかし、国際情勢は意外な方向へ動くことも多いので、これが直ちに中東の安定につながるとは考えにくいものがあります。

 米軍の増員は、これまでと同じく、戦闘要員ではなく、情報分析のための人員でしょう。多分、現場から人手が足りないと要請が出たのだろうと想像します。

 


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