米陸軍と海兵隊の航空機がイルビルに到着
military.comによれば、水曜日、海兵隊のMV-22オスプレイと陸軍のヘリコプターが、山頂部に閉じ込められた難民を救出するためにイラク北部の孤立した飛行場に到着しました。
国防総省とホワイトハウスの当局者は、オスプレイとヘリコプターは129人の隊員(約80人は海兵隊員)を乗せ、クルド人の首都、イルビル(Irbil)に向かったと言いました。
国防総省広報官、スティーブ・ワーレン陸軍大佐(Army Col. Steve Warren)は、概ね4機のオスプレイがクルド人のペシュ・メルガ部隊(peshmerga)が守る飛行場にいると言いました。ワーレン大佐は飛行場に何機の陸軍ヘリコプターがいるかや、機種がブラックホークかより大型のチヌークかは明言しませんでした。また、いつまで航空機がこの地域に滞在するかも言いませんでした。
国家安全保障担当顧問補佐、ベン・ローデス(Ben Rhodes)は、クルド地域の新しい兵士たちは、山間部から人々を出し、安全な場所へ運ぶ活動を遂行するための方法を勧告すると言いました。
オバマ大統領はイラクでは地上軍を戦闘任務に使わないと決めましたが、ローデス氏は人道的任務を支援するために使われる可能性を示唆しました。
ヤジディ派の救出任務への地上軍の派遣は、ISILと戦うために戦闘に再投入するのとは違うと、ローデス氏は言いました。
兵士129人は米中央軍が派遣し、現在イラクにいる兵士は約1,000人になったとワーレン大佐は言いました。
その兵士には、ISILの脅威を評価し、イラク軍の顧問となるためにオバマ大統領が先月イラク派遣を承認した特殊部隊300人中の277人を含みます。これらの兵士約69人は現在、イルビルの合同作戦センターにおり、93人はバグダッドの合同作戦センターにいます。別の90人もバグダッドにおり、状況評価に携わっています。
安全支援に関与し、大半がバグダッド空港な米国施設を防衛し、米大使館の安全を強化する458人もいます。さらに、武器売買を調整するために、兵士100人が大使館の治安協力局にいます。
ワーレン大佐は、現在、総計で約964人の米軍人がイラクにいると言いました。オバマ政権は戦闘任務に就く者はいないと繰り返しています。
ワーレン大佐は、国防総省はクルド政府に直接武器を送っていないが、弾薬と小火器をバグダッドのイラク政府に送っていると言いました。彼はCIAがクルド人を武装させたという複数の報道へのコメントを辞退しました。
統合参謀本部議長、マーチン・デンプシー陸軍大将(Army Gen. Martin Dempsey)は、クルド人はすぐにイラク軍から、ISILが奪った車両を攻撃するために装甲を貫通する兵器、RPG、重機関銃を受け取ると言いました。
記事は一部を紹介しました。
国連などが要請しているクルド人の安全地帯への移送をオバマ政権が準備しています。
これは意義深い作戦です。国際人道法(ジュネーブ条約)でも、民間人の逃げ道を完全に奪うような軍事行動は禁じています。しかし、テロ組織は国家でないために、国際人道法とは無関係で、こうした保護規定を知らないか、無視します。
興味がある方は、ぜひ、国家人道法を読んでください。紛争当事者は民間人を戦闘地域外に出す努力をしなければならず、食糧に関係する施設への攻撃も禁じられていることが分かります。
この不法な状態を排除するために軍事力を使うのは、アメリカが自国の国益のためだけに活動するのとは訳が違います。
実際、理想的な形で軍事力が使われることは少ないのです。不法な戦争をしたがる心理の方が遥かに強く、そのために人々は苦労するのです。
ワーレン大佐が陸軍ヘリコプターの数と機種を明言しなかった理由はよく分かりません。しかし、海兵隊が状況評価を行い、陸軍が緊急性が高い病人を移送しているのかも知れないと推定はできます。活動中の部隊の情報は出さないのが原則です。救援任務なら、急病人の輸送が真っ先に考えられます。
シンジャル山脈は標高が1,200m程度の比較的低い山です。人が住む町は800mを切る位置にあります。しかし、ここに陸軍のヘリコプターで救出活動を行っているとすれば、やはり、オスプレイの性能の悪さが原因かと考えてしまいます。オスプレイは高度1,219.2m(4,000フィート)ではホバリングができません。2010年4月9日、CV-22がアフガニスタンで、高度約1,593m(5,226フィート) でホバリングで着陸しようとして墜落し、乗員が死傷する事件を起こしました(関連記事はこちら)。イルビルの飛行場は標高400m程度にあり、ここにオスプレイが行くのは問題がありません。万一の事態を想定し、ここは陸軍のヘリコプターを使っているのかも知れません。海兵隊が僻まないように、陸軍のワーレン大佐が気を遣った可能性すらあります。
この程度の作戦にも使えない航空機を、自衛隊が全面的に採用することはできません。結局、他のヘリコプターと併用する形になるだろうといえるわけです。
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