アメリカがアメルリ奪還のために空爆を再開
alarabiya.netによれば、アメリカの空爆が土曜日、シーア派の街、アメルリ(Amerli・kmzファイルはこちら)イラクとシリアのイスラム国家(ISIS)の陣地を狙い、武装グループに包囲された民間人に人道支援を投下しました。
バラク・オバマ大統領(President Barack Obama)は再開された攻撃を承認し、大半がトルクメン人のアメリへの脅威に関する国最低な抗議の中、イラクでのアメリカの作戦を拡大しました。
アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアの航空機が運んだ支援物資は、ISISとの戦いに同盟国を引き入れるオバマ大統領の努力に前進を示しました。
「イラク政府の要請により、米軍は今日、ISIL(ISISと同じ組織)が2ヶ月間、食糧、水、医療品の配送を孤立させた、シーア派のトルクメン人数千人が住むアメリを助けるために、人道支援物資を空中投下しました」と、国防総省広報官、ジョン・カービー少将(Rear Admiral John Kirby)は言いました。
イラク軍とクルド軍は土曜日に、アメリのスンニ派民兵による包囲を中断させるための攻勢で、ISISの戦闘員に接近しました。アメルリは2ヶ月間以上、武装勢力に包囲されました。
アメリの武装した住民は、シーア派トルクメン人を背教者と考えるISIS戦闘員の攻撃をどうにか払いのけてきました。15,000人以上の住人が町内で窮地に陥ったままです。
「空中投下と連携して、アメリカの航空機は、人道支援作戦を支援するために、調整された空爆を近くのISILのテロリストに対して実行しました」。カービー少将は、主要な目的は武装勢力が市内の民間人を攻撃するのを防ぐためだったと付け加えました。彼は作戦は、アメルリの人々を守るために必要に応じて、「目的と期間が制限されるだろう」と言いました。
オバマ大統領が、今月初めにイラクでの最初の空爆と空中投下を命じたとき、彼はイラク北部のシンジャル山脈(Sinjar mountain)のISIS武装勢力に包囲されたヤジディ派数千人の人道的危機を防ぐために軍事作戦を正当化しました。8月中旬、彼は武装勢力の包囲が破壊されたと断言しました。
土曜日早く、当局者2人は、イラク軍、民兵、クルド人のペシュ・メルガ(peshmerga)は4方向からアメリへ前進したと言いました。
アドハイム(Udhaim)からアメリに向かって北へ前進しているイラク軍の少佐は、武装勢力が道路に地雷をしかけたために進展は遅いと言いました。彼は、北から近づいた者たちは3kmにいるが、彼らは街から約15kmにいると言いました。少佐はアドハイムとインジャナ村(Injana)の間の道路上での空爆で、40体以上の死体を数えたと言いました。
土曜日に、国防総省はアメリカの軍用機と無人攻撃機が、イラク最大のダム付近でイスラム国家の戦闘員に対して5回の空爆を実施したと言いました。この攻撃はISISの武装車両、戦闘員の陣地、武器を破壊し、モスルダム(Mosul Dam)近くの建物に被害を与えたと国防総省は言いました。
ISIS武装勢力は、6月10日に北部のモスル(Mosul)の占領後、イラクのスンニ派アラブ人の地域の大半を占領し、シリア国境にまたがるカリフの支配(caliphate)を宣言しました。電光石火の攻勢は武装勢力をイラクのクルド人自治区の首都の圏内に連れてきて、アメリカの空爆をもたらしました。クルド人はそれからゆっくりと武装勢力から土地を奪還し、土曜日に北部ズマル(Zumar)に前進しました。ペシュ・メルガの公報、ハルガード・ヒクマット(Halgurd Hikmat)は、ズマルの支配はクルド人が、ISISに占領された地域、ラビア(Rabia)とシンジャルを奪還するのを助けると言いました。
記事は一部を紹介しました。
アメルリはモスルよりも遙かに首都バグダッドに近い街で、モスルとバグダッドとの中間地点付近にあります。ここをISISが包囲していることには驚かされます。
クルド人が徐々に失地を取り戻しているようですが、ゲリラ戦では前線が存在しにくく、一ヶ所を取り戻しても、逃げた武装勢力が別の場所を占領するという一進一退の状況になりがちです。現在のイラクの状況がそれなのか、本当にクルド人が勢力を取り戻しているのかは、判然としていません。
今回の空爆では民間人がいる場所に、より近いところが標的となっているようです。任務に慣れて、誤爆が起こると、この作戦を支持する声も減ります。
ISISも生身の人間が運営している以上、正規軍と同じように、予算から装備を買い、戦地へ物資を配給する必要があります。直接的にISISを攻撃するのは、財務担当者を特定して殺害・拘束したり、彼らの補給線を叩くことでもあります。食糧や水が届かないと、ISIS兵とて、忠誠心を失います。そうした作戦も考えられないのかと思います。
なお、週刊ポストの9月5日号にISISの幹部インタビューが載っています。シリアのISIS支配地域でキリスト教徒が迫害されていないという内容ですが、29日付けで紹介した記事とは随分と違い、ISIS寄りの内容です。ISISが紹介したキリスト教徒からだけ話を聞いても、真相は分からないでしょう。いま報道されているのはシリアではなく、イラクでヤジディ派の女性に対する迫害であり、シリアで起きていないことはイラクでは起きないとは言えません。もちろん、記事はISISの情報操作の可能性も指摘していますが、「それらを差し引いてもなお、ISISを単なるテロリスト集団として捉えると実像を見誤る。」とも書いています。テロ集団はある意味でオタク集団です。なにしろ、この記事中にも日本のアニメが大好きなオタクのISIS兵が登場しているのですから。
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