モロッコでイスラム国の徴用係が逮捕

2014.9.13


 alarabiya.netによれば、モロッコ内務省は金曜日、民兵7人がイスラム国の軍へ参加する戦闘員を徴用していた件で逮捕されました。

 容疑者たちは中部のフェズ(Fez)とオウタット・エル・ハジ(Outat El Haj)北部のザヨウ(Zayou)で活動し、モロッコに対する攻撃を計画していました。逮捕がいつ行われたかは明らかではありませんが、首謀者は教師で、彼らはすでに戦闘員7人をイラクとシリアに送っていました。しかし、独立系新聞「Akhbar al-Yaoum」は総計9人の容疑者が一斉検挙され、大半は20〜30歳の路上の行商人だったと報じました。モロッコはイスラム過激派の逮捕を報じ、シリアとイラクで戦う国民の人数と母国で攻撃を準備するために帰国する者たちについて深い懸念を表明しています。7月、当局は彼らが深刻だと呼ぶものに直面して治安態勢を強化したと発表しました。


 モロッコは北アフリカの地中海の出口にあり、中東からははなれています。ほぼスンニ派ばかりのイスラム教の国です。なので、イスラム国に共感を感じる者がいるのでしょう。

 しかし、日々、広範な地域からイスラム国への参加しようとする者たちのニュースが報じられている点には驚異を感じます。アルカイダに比べると、遙かに短期間にできた組織で、その成果も瞬間最大風速の印象が強いのですが、そこに多くの人たちが惹かれているのです。それだけ地域社会への不満が強いのかも知れませんが、その多さには驚かされます。

 そういう者たちの大半は未熟な若者たちで、いまは正しいことをしているつもりでも、歳をとれば疑問を感じるようになるでしょう。サッカーのフーリガンではありませんが、日々の不満を無差別に他人にぶつけているだけです。自分たちの環境が悪いのは、世界中に勢力を奮う西欧のせいであり、地元ではできない、既存の権力と戦うことも、イスラム国に参加すればできるというわけです。

 そんな者たちでも、数が集まると、精鋭部隊のような戦力となり得るのです。 ハイテク兵器や特殊部隊で問題が簡単に解決するわけではありません。雑兵も集まれば精鋭部隊の敵となるのが、軍事の現実です。

 イスラム国の勢力範囲はニューヨークタイムズ紙がマップを掲載しています(記事はこちら)。 マップが示すように、砂漠の国では、川の付近に作られた町と、それをつなぐ道路上にしか人はいません。この防衛網を断ち切ることは不可能ではありません。

 この他に、イスラム教の国で、イスラム国の活動の誤りを教えるプロパガンダ活動も必要です。志願者を減らすことが、根本的な解決なのです。

 


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