ロシアが軍事ドクトリンの変更を示唆
BBCによれば、ウクライナ危機と東欧にNATO軍が駐留する結果により、ロシアは軍事ドクトリンを変える予定だとロシア高官は言います。
ロシア政府顧問、ミハイル・ポポフ(Mikhail Popov)は、アメリカとNATO軍との関係悪化は更新された軍事戦略に反映されるだろうと言いました。
NATO軍は月曜日、参加国を守るために東欧での駐留を強化すると言いました。
ウクライナの国防大臣は月曜日、何万人もの命を奪いかねない大戦を始めたとロシアを非難しました。
ロシアの国家安全保障会議の事務次官のポポフはロシアのRIA通信社に「NATO参加国の軍事インフラは、拡大しつつ(ロシア)国境により近づいている」と言いました。NATO軍の行動は主要なロシアへの外部の脅威の一つだと、彼は言いました。「NATO軍の計画的行動は、アメリカとNATOの指導者がロシアとの緊張悪化政策を続けようとする証拠です」と、ポポフ氏は言いました。ドクトリンがどのように変わるかという詳細は明らかにしませんでした。
NATO軍は月曜日、ロシアの侵攻に対して東欧の参加国を守るために、数千人の即応軍の計画を発表しました。アンダース・ラスムッセンNATO事務局長(Anders Fogh Rasmussen)は、即応軍は交代制で参加国が提供する軍隊で構成され、48時間以内に派遣されると言いました。必要になれば、身軽に移動して、激しく攻撃するために、軍用品と補給品は事前に東欧の参加国に事前に配備されると、彼は付け加えました。
ラスムッセン氏は、計画は1997年のNATO・ロシア基本文書(Nato-Russia Founding Act)に違反しないと主張しました。基本文書は東欧、中欧へ恒久基地を置くことを禁じています。新案は今週、NATOサミットで承認されることになっています。
NATO軍の安全保障同盟は、ポーランドとチェコ共和国のような東欧を含んだ参加国28ヶ国を範囲に収めます。ウクライナは含みません。ウクライナのアルセニー・ヤツェニュク首相(Prime Minister Arseny Yatsenyuk)は、彼は国をNATO参加国に向けた方向に置きたいと言いました。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣(Foreign Minister Sergei Lavrov)は、そのような努力が反政府軍との和平協定に達する試みを台無しにしていると言いました。
ウクライナ当局、反政府派、ロシア特使の間の会談は月曜日に合意することなく終わりました。
ルハンシク地域(Luhansk)とドネツク地域(Donetsk)、さらにはマウリポリ港(Mariupol)周辺の南部で親ロシア反政府派が一連の前進をみる中、ウクライナ軍は撤退を強いられました。月曜日、ウクライナ軍は、ロシア製戦車に攻撃された後、ルハンシク空港(kmzファイルはこちら)から撤退を余儀なくされたと言いました。ルハンシク地域の行政官代理、アイリーナ・ヴェリヒナ(Irina Verihina)はウクライナのテレビ局「112 TV」に「我が軍は撤退しましたが、滑走路を完全に破壊しました。飛行機がそこに着陸する方法はありません」と言いました。
記事は一部を紹介しました。
ロシアの発言は、完全に戦争モードに入っているために出るものであって、その内容を一々吟味する必要もありません。単に、相手に反論するための発言ですから、理屈は何でもよいのです。武器を使わない、言葉による攻撃です。
こうして敵対関係が既成事実化していきます。解決策は見出せないので、非常にまずい展開です。ロシアはNATOがウクライナのために戦争をする気はないと考えているのでしょう。
軍事ドクトリンは、有事の際の行動方針を示した文章です。それを変更すると述べたのは、NATOを牽制するためです。もちろん、本当に変更するつもりなのでしょう。そうなれば、NATOとロシアの対立はさらに深まります。
ルハンシク空港の滑走路を破壊したのは適切な判断でした。民間空港を破壊したのは痛手ですが、やむを得ないことです。破壊された滑走路を修繕する方法はありますが、親ロシア反政府派はその為の技術や機材を持っていないでしょう。ロシアがそれを陸路で反政府派に提供する必要があります。それが可能かどうかがポイントになります。ロシア国境に近い場所なので、ロシアがそれを考えている可能性はありそうです。航空自衛隊は、爆破で空いた穴を土で埋め、そこにつないだ滑走路復旧専用のアルミ製マットを敷く装備を持っています。ロシアも似たような装備を持っているはずです。装備さえ搬入すれば、数日間で滑走路を復旧できるでしょう。当然、ウクライナ軍は復旧活動がはじまったら、作業を妨害しようとするはずです。
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