イスラム国との戦いは長期戦を覚悟すべき
alarabiya.netによれば、バラク・オバマ大統領(President Barack Obama)は、アメリカがシリア内紛が過激派グループに復帰の機会を与えることを過小評価したと認めました。
CBS Newsとのインタビューで、オバマ大統領はイラクとシリアは「世界中のジハード戦士のグラウンドゼロ」だと言いました。「私は情報コミュニティの長、ジム・クラッパー(Jim Clapper)が、シリアで起きていることを過小評価したことを認めたと思う」。ワシントンも米軍が訓練したイラク軍が自分で民兵と戦う能力を過大評価したかと訪ねられると、大統領は「本当。まったく本当だ」と言いました。
オバマ大統領は、イラクでの米軍主導の空爆がイスラム国の領域と資源を与えないことを助けていると言う一方で、イスラム国とシリアのアルカイダ傘下グループに対する軍事作戦が独裁者バシャル・アル・アサド(Bashar al-Assad)を助けているとも言いました。「私は大きく矛盾した領域と環境を認めます」「我々は、ひどく極悪な政府、アサドの統治下でシリアを安定化しようとしています」「一方で、差し迫ったは、アメリカ人を殺す連中、イスラム国とコルーゾン・グループ(Khorasan Group)です」。
military.comによれば、チャック・ヘーゲル国防長官(Defense Secretary Chuck Hagel)とマーティン・デンプシー大将(Gen. Martin Dempsey)は金曜日、地上軍はイスラム国との戦いを仕上げるために最終的に必要だと認めながらも、歩兵部隊はイラク、クルド、穏健派のシリア反政府派であるべきと言いました。
「私は誰も、空爆だけでイスラム国を打倒できるという幻想を抱いていないと強調したい」とヘーゲル長官は国防総省の記者会見で言いました。オバマ大統領はイラクとシリアに歩兵旅団のような大軍の米地上部隊を用いることを除外しましたが、統合参謀本部議長のデンプシー大将は、状況が求めるなら、大統領は小部隊を前線に置くことを大統領は躊躇しないと言いました。
デンプシー大将は、地上部隊が軍事顧問を務め、空爆を呼ぶために前線に配置されるべきだというジェームズ・マティス退役海兵大将(retired Marine Gen. James Mattis)を含めた軍事アナリストの指摘に直接言及しませんでした(関連記事はこちら)。
「大統領は私にイスラム国を破壊せよという任務を与えました」「そして、私はイスラム国を破壊する手段について説明しました」。しかし、計画は地元の地上部隊がイスラム国と戦うことで、「我々はそれが、我々が可能にする、彼らの作戦であることを望みます」とデンプシー大将は言いました。
alarabiya.netによれば、サウジアラビアのサウド・アル・ファイサル外務大臣(Saud al-Faisal)は、イスラム過激派との戦いは数年間続き、すべてのテロ組織を殲滅するまで止めてはならないと言いました。
「我々は今日、非常に危険な状況にいます。テロリズムは細胞から軍隊へ、国家の特定の場所への脅威から発展しました」。
記事は一部を紹介しました。
イスラム国との戦いがどんなものになるかを示す記事を紹介しました。
オバマ大統領がい言うとおり、私も昨年11月に複数の過激派グループが連合体、イスラム国となったことを、さほど大きな動きとは思いませんでした。だから、今年なって、彼らがイラクに大きく進出するとは考えず、事実、そうなっても状況の変化を認める気にはなりませんでした。彼らは手薄な領域で勢力を持っただけですが、その中に産油地が含まれており、そこから大きな利益を得ています。みたところ、国家らしくはありませんが、国家と彼らが名乗ったことで、彼らを国家と信じる者たちが世界中から集まり、曲がりなりにも勢力を維持し続けています。
常識から考えると、こうした組織は長続きはしません。アルカイダが勢力を落としたように、数年先にどうなっているかは分からないのです。
それにしても、米情報機関の判断が私と大差ないという話には失望を覚えますね。
ジェームズ・マティス退役海兵大将は、地上軍を排除した大統領の判断は誤りだと主張していて、こういう主張は保守派、共和党を含めて、幅広く存在します。軍事常識からすると、この主張は間違ってはいません。地上軍なしに地上軍の殲滅は難しいのです。
しかし、この戦いは、現地の軍隊が地上軍を務めるのであり、周辺国は主に空軍力でそれを支援する形になります。サウジのファイサル外務大臣が言うように、効果が出るには時間がかかり、数年間を見込むことができます。
マスコミが好きな「出口が見えない」といった論評は大した意味はありません。米軍内部からは、成果が非効率的だという意見が続出するはずです。自軍の地上部隊ならもっと早く行動できると、彼らは考えます。しかし、そうした要請によって地上軍を派遣して、そこで大敗を喫するのが、過去の戦争の常態でした。それを考えれば、今やっている戦いの手法を磨くことを考える方が大事です。
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