ペシュ・メルガがモスル郊外まで進出か
昨日からツィッターでペシュ・メルガ軍のアカウント(Peshmerga forces)をチェックすることにしました。彼らはモスルの近くまで進出しているようです。
21日以降分から、いくつかの投稿を紹介します。黒丸がペシュ・メルガの投稿で、カッコの中のグレーの文字はそれに対する私のコメントです。
- イスラム国から逃げたヤジディ派の女性が、拘留者たちがイスラム国兵の負傷者のために献血を強制されていると言いました。(イスラム国が拘留者に献血を要請することは国際法上合法でしょうが、強制となれば違法とされるでしょう)
- ペシュ・メルガはモスル北部カジア(Qadsia)のイスラム国の陣地2ヶ所を破壊しました。(カジアの場所は不明ですが、添付されている地図につけられた印はモスル北東部の市街地を指していました)
- ペシュ・メルガはモスルへ接近し、現在、街を砲撃しています。(これについては、モスルの住民らしい人が砲撃があるとの投稿をしているのを見ました)
- 自爆タンクローリーがペシュ・メルガを狙ったが、ミラン対戦車ミサイルが破壊した。(ミラン対戦車ミサイルはフランス製の誘導ミサイルです。この兵器がクルド側にあることは有益で、RPGよりも、ずっと優れています。装甲板が張り付けられたタンクローリーの写真も投稿されています)
- ロンドン市長がクルディスタンを訪問。(市長がAK-47を構える写真もありました。親善訪問にしてはやり過ぎか)
- イスラム国がクルド人の放送局「Rudaw」の記者を処刑。(処刑された記者の写真付き)
- ペシュ・メルガと同盟国の空爆はイスラム国兵士200人を殺害。モスル市内の情報源は病院が満員だと言う。(これも戦闘がモスル周辺で起きていることを窺わせ、モスル市内にクルド軍はいないことを連想させます)
カナダ人民間人2人がイスラム国と戦うためにクルド軍に参加。(カナダ人義勇兵の写真付きです。カナダから来たことは驚きです)
- モスルでペシュ・メルガ軍とイスラム国の戦闘映像。(衝撃的な映像が含まれています。視聴にはご注意を。クルド軍は幹線道路沿いに進撃しているようです。クルド軍の士気が高いことがよく分かります)
ペシュ・メルガは殺害したイスラム国兵士の写真を多数投稿し、戦果を強調しています。正視に堪えない写真がかなりあります。こうしたことは日本人にはかなり違和感があります。ペシュ・メルガは イスラム国兵士をネズミ(Rat)と呼んだり、まったく人間と思っていない様子です。クルド人が国として国際的な承認を得るためには、これは正さなければならないことです。
中には何か勘違いしたとしか思えない発言もあります。彼らはイスラム国の日本人人質映像に手を加えてネット上に流している連中の映像(いわゆる、クソコラグランプリ)も知っています。覆面男のナイフをバナナに置き換えた写真について、次のように書いています。
日本の人々は勇気がある。イスラム国の脅威を笑い飛ばしている。
彼らはネット上の遊びを本当の映像コンテストだと思っているようです。さらに、この投稿に対して「日本人は死を恐れないからな。イスラム国がタフだって思うかい?」というコメントもついていました。どうやらサムライのイメージで日本人を見ているようです。
ただ、クソコラ映像の台詞「バナナ食うか?うめえぞ」を正確に英語に訳して紹介している投稿もあり、これには驚きました。彼らがどうやって翻訳したのかは分かりません。英訳された別の映像を見たのか、翻訳プログラムを使ったのかも知れません。しかし、これくらいはやろうと思えば誰でもできる時代です。
これに比して、日本政府高官から「イスラム国は日本の情報をよく知っているようだ。日本語に精通した者がいるのか」といった発言が出ているのは情けないとしか言いようがありません。日本語はむずかしい、外国人には読めないという神話を固く信じているようです。そして、マスコミに言わない方がよいことまで放言しているのですから困ります。
なお、コバネ戦に関しては、すでに街の大半をクルド軍が占領したことを示す書き込みが多数ありました。
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