イスラム国が2番目のメッセージを発信
イスラム国が27日夜に新しいメッセージを出しました。前回と同じく、要求を後藤氏に読み上げさせるスタイルです。このメッセージにより、ヨルダンが窮地に立たされました。
人質交換は後藤健二氏とサイダ・リシャウイの1対1。要求に応じなければカサスバ中尉を殺し、それから後藤氏を殺すという内容です。
これにより、ヨルダンはイスラム国の要求に応じるしかなくなりました。拒否すればカサスバ中尉が殺されるだけです。また、後藤氏が殺されることで、日本との関係も悪化します。
全体的に、イスラム国の要求文はよく練り込まれています。しかし、「どうして理解するのがそんなに難しいのか?」という部分はそうではありません。ヨルダンはリシャウイと後藤氏を交換することで、カサスバ中尉を助けるための材料を失います。イスラム国は中尉と別の囚人とを交換する可能性については言及しておらず、ヨルダンは何の保証もなく、希望を失うことになります。イスラム国はすでに釈放を希望する27人のリストをヨルダン政府に提出しているといいます。このリストの誰かと中尉の交換が可能かを要求分に書かなかった点が引っかかります。もしかすると、それについてすでに両者は何らかの交渉を行っているのかも知れず、その可能性は高いと考えます。
それ以外の部分は、たとえば、「彼女は10年間も捕らわれの身だ。私はほんの数カ月捕らわれただけだ。」は、リシャウイは10年間、死刑執行に脅えながら獄中生活を送ったのだから、すでに十分罰せられたはずだ、釈放すべき時だというメッセージです。その上で、期限を切って、要求をのまないと中尉も殺すと、ヨルダンに決断を促しています。
すべてはヨルダン政府の決断にかかっています。それを左右するのが、先の述べた、中尉を助けることをイスラム国がヨルダンに示しているかどうかにかかっている可能性があります。
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