キルクークでクルド軍とイスラム国が激戦
BBCによれば、クルド人のペシュ・メルガ(Peshmerga)とイスラム国が夜通し激戦を行った後、イラクのキルクーク(Kirkuk)で夜間外出禁止令が敷かれました。
金曜日早く、イスラム国戦闘員は市南方のペシュ・メルガ軍に対して重火器と自爆攻撃を用いました。
シェリコ・フェティ准将(Brigadier Sherko Fatih)を含めペシュ・メルガ兵6人が殺されました。
バグダッド(Baghdad)とサマラ(Samarra)で少なくとも21人が別の攻撃で殺されました。
イラク政府がこの地域でイスラム国は掃討されたと宣言したにも関わらず、ディヤラ州(Diyala)のジャワラ(Jalawla)で別の自爆攻撃でペシュ・メルガ兵多数が殺されました。
この攻撃は、シリアのコバネ(Kobane)でイスラム国が撃退されたにも関わらず、民兵組織は他の場所で攻撃的な活動を続けることを示しますと、ジム・ミュアー記者(Jim Muir)は言いました。
イスラム国は夜通しの攻撃の間に、キルクーク南方のいくつかの村を占領しましたが、クルド当局はいくつかは後に反攻で取り戻したと言います。
キルクークしないでは自爆攻撃が警察署と近くのホテルを狙いました。
夜間外出禁止令は地元時間の10:00に開始し、別に指示があるまで継続します。
キルクークはアラブ人、クルド人、トルクメン人を含めたいくつかの異なるグループの拠点です。三つのグループすべては石油が豊富な同州に対して競合する主張を持っています。
サダム・フセインのアラブ化計画の下、クルド人はキルクークを追われ、南からの移住者に取って代わられ、イラク政府は地元のトルクメン人の支援を受けて近くの油田を支配し続けています。
街自体はイラク軍がイスラム国の攻撃の前にこの地域を去り、2014年にクルド人戦闘員に占領されました。以来、街は定期的にイスラム国の攻撃を受けています。
BBCによれば、イラクのイスラム国の化学兵器の専門家が同盟国の空爆で死亡したと米軍は言いました。
アブ・マリク(Abu Malik)の訓練はイスラム国に化学兵器の能力を追求するための技能を提供しました。
彼はイラクのアルカイダとイスラム国に参加する前、化学兵器のエンジニアとしてサダム・フセイン元大統領(Iraqi President Saddam Hussein)に仕えました。
マリクは1月24日にモスル(Mosul)近くの空爆で死亡しました。
彼の死はイスラム国を弱体化させて崩壊させ、彼らが化学兵器を生産し、使う能力を弱めることを期待されます。
イスラム国が塩素ガスを使っているとの報告が頻繁にありますが、大きな化学兵器の貯蔵物が蓄積されたとの証拠はありません。
昨年、イラクの警察官がバグダッド(Baghdad)北部での過激派との戦闘の後、めまいと嘔吐を体験しました。これは塩素ガスのせいと考えられました。
塩素ガスは窒息剤に分類され、大量に吸い込むと肺を火傷します。しかし、神経ガスほど危険ではありません。
イスラム国は政府が化学兵器を破壊したシリアの多くの地域を支配しますが、すべての貯蔵物が把握されているわけではありません。
記事は一部を紹介しました。
キルクーク戦などの戦況については、別の記事にも詳しく説明されていますが省略します(関連記事はこちら)。
街を占領するのに、周辺の村を落とすのはイスラム国のやり方だといわれます。イスラム国の狙いがキルクーク市そのものであることは明白です。
それにしても、イスラム国の狙いが分かりません。しょっちゅう攻撃目標を変えています。先日はイルビルを狙っている話が出たばかりで、その目標は達成していません。バイジもイラク軍に取られたばかり。キルクークはバイジの北東にありますが、いますぐ奪取しなければいけない目標ではありません。バイジの精油所を取り戻し、シンジャル経由の補給路を奪還しないと、イラク北部が孤立する恐れがありそうです。それを無視して、なぜキルクークなのか?。原油価格の下落と、石油施設への空爆で石油の収入が激減している中、イスラム国は余計な目標に関わっている暇はないはずです。
この戦略ミスは大いに利用したいところです。
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