シリアとロシアが連携してトルコ空域を侵犯か

2015.10.12

 alarabiya.netによれば、土曜日にシリアの戦闘機とミサイルシステムがシリア・トルコ国境付近でトルコのF-16戦闘機を妨害したと、トルコ軍は日曜日に言いました。

 シリアのミサイルシステムが2分間妨害を行った時、ジェット機3機がF-16のパトロール編隊12機の中にいました。彼らは2機のSU-22、1機のSU-24によっても35秒間妨害されました。

 先週末、トルコはロシアの戦闘機2機がトルコ領空に入り、MIG-29とシリアのミサイルシステムがパトロール隊を妨害したと言いました。

 BBCによれば、トルコは国境警備で譲歩せず、ロシアの空域への侵略がNATO軍との危機を拡大することを望まないと、アフメト・ダウトオール首相(Prime Minister Ahmet Davutoglu)は言いました。ロシアの駐トルコ大使はトルコ空域侵犯に関して3度呼び出されました。

 ロシアのシリア作戦は1週間前に始まりましたが、ダウトオール首相は57回の空爆中にイスラム国を狙ったのは2回だけだったと言いました。トルコはNATO軍のメンバーです。レジェプ・タイップ・エルドアン大統領(President Recep Tayyip Erdogan)は、トルコに対する攻撃はNATO軍に対する攻撃を意味するとロシアに言い、集団的自衛権ドクトリンに言及しました。

 水曜日に、首相は記者にロシア戦闘機による空域侵犯に譲歩はしないと言いました。しかし、その他のトルコ政府当局者は、トルコはロシアの軍当局者が彼らの行動を説明し、将来的に潜在的な衝突を避ける方法の詳細を提供することを望んでいると示唆しました。

 トルコ領空侵犯はこれまで3回報告されました。

  • ロシアは日曜日に悪天候のためにSU-30が数秒間誤ってトルコ領空に入ったと言いました。
  • アナリストがシリア人が操縦したというMig-29が国境を越えて5分間以上トルコ軍機にレーダーをロックオンしました。
  • 月曜日に国籍不明のジェット機がトルコ軍機8機をレーダーでロックオンしました。

 イエンス・ストルテンベルグNATO事務総長(Nato Secretary-General Jens Stoltenberg)は火曜日、ロシアは長く続き、事故のように見えない侵犯についていかなる説明もしていないと不平を言いました。彼はシリアで艦船と地上軍の増強の報告も指摘しました。

 ダウトオール首相はロシアの空爆の大半が穏健派の反政府派に対して行われたと言いました。人権団体「The Syrian Observatory for Human Rights」は水曜日に、シリア軍と政府派民兵がイドリブ州(Idlib)とハマ州(Hama)の北西部、4カ所の戦線で反政府派に対する攻勢を開始したと言いました。人権団体は反政府派の陣地が地対地ミサイルで攻撃され、ここ数ヵ月間で最も激しい戦闘を引き起こしたと言いました。


 記事は一部を紹介しました。

 昨日、トルコ軍がロシア軍機を撃墜したとのニュースが流れたのですが、その後、続報がないので、未確認情報だったようです。

 ロシアは誤って領空侵犯したと言っていますが、作戦に必要ならトルコ領空を侵犯するつもりです。明らかにシリアと連携して動いています。シリアでの作戦をトルコに妨害させるつもりはないとの意思表示です。もちろん、トルコはシリアに介入するつもりはありませんが、ロシアとしては、ここは自分たちの活動地域だと言いたいのです。

 クリミア併合で冷え込んだロシアと国際社会の関係は、シリア問題でさらに冷え込むのです。

 


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