シリア戦の宣伝工作でもロシアが優勢
alarabiya.netによれば、ロシア軍機は過去24時間で39回出撃し、イスラム国の目標51カ所を攻撃したと、ロシア国防省が日曜日に言いました。
航空機はハマ州(Hama)、ラタキア州(Latakia)、ダマスカス州(Damascus)、アレッポ州(Aleppo)で目標を攻撃しました。国防省はロシア軍がマハ市の北西40kmのカファ・ザイタ(Kafr Zeita)でテロ組織ジェイシュ・アル・ファタ(Jaish al-Fatah)の分遣隊の一つの指揮所を攻撃したと言いました。「空爆の結果、この地域のジェイシュ・アル・ファタ分遣隊の活動は完全に中断し、その後、戦闘員は戦闘地域を放棄しました」。
ロシア政府はイスラム国がシリア軍から隠れ、街を密かに移動するのに使う、ホムス州のタルビシア(Talbisseh)の要塞化されたトンネル網を破壊したとも言いました。また、イスラム国が弾薬、食糧、燃料を届けるのに使っていたダマスカス州の前方補給拠点も破壊したと言いました。
ロシアはイスラム国とアル・ヌスラ戦線との間で衝突が増加しているとの情報があると言いました。「領域と資金の支配を巡る戦いのために、様々なテログループ間の不和が増加しています」「通信傍受によると、先週、イスラム国がアル・ヌスラ戦線の野戦指揮官に対して自爆車両を使ったテロ攻撃を3回実行しました」。また、反政府派が大量脱走し、強制的な新兵徴募の情報もあると言いました。
記事は一部を紹介しました。
遅れてシリア内戦に参加したロシアのすることは一つだけです。「遅れを取り戻せ」です。
狙い通りに、宣伝で攻勢をかけ、西欧諸国の軍事行動が無意味で、ロシアこそ効果的な攻撃をしていると印象づけています。民間人の誤爆や地上戦でも犠牲者が出ていることはおかまいなしです。それでも、こうした宣伝活動をしないと、戦争は遂行できないものです。ロシア国民の世論も負けている戦争にはついてきません。国際会議でも戦果を主張するためには、随時、戦果を発表していく必要があります。ロシアは戦争遂行の上では、ごく当たり前のことをやっているのです。
実は、太平洋戦争でも、開戦直後はアメリカの報道に誇張が多く、日本が負け始めると日本に誇張が増えたという話があります。
これが戦争です。個別的自衛権、集団的自衛権に関係なく、戦争をすると、その成果を国の内外に発表しますが、それは往々にして、都合がよい部分だけに限られるという傾向があります。
当面、ロシアの景気が良い戦果発表は続きます。それに騙されないことです。ロシアはシリアにおけるイスラム国の問題を解決するような介入はしていません。精々が、アサド政権の失地を回復するだけです。いずれ、ロシア国内でイスラム国の報復テロが始まります。そうなると、また流れが変わります。
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