ロシアが自由シリア軍へ支援を提案も拒絶

2015.10.26

 military.comによれば、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣(Foreign Minister Sergey Lavrov)は、ロシアが空爆で自由シリア軍を支援し、イスラム国などとの戦いでアメリカと密接に協力する準備ができていると言いました。

 協力の要請はシリア全土で、とりわけイドリブ州(Idlib)で、ロシア軍とシリア軍の空爆のために子供6人を含む少なくとも44人が24時間で殺されたと人権団体「the Syrian Network for Human Rights」が土曜日に報告した後になされました。

 「対テロ作戦で我々と調整することをアメリカ人が拒否したことは大きな間違いです。我々は真剣にそうした調整の覚悟をしています」とラブロフは土曜日に言いました。「我々はいわゆる自由シリア軍を含んだ愛国的な反政府派に航空支援を提供する準備がありますが、我々は特定の武装グループを代表する権限を持つ人と接触する必要があります」。

 ラブロフの提案は即座にシリアの反政府派により拒否されました。「ロシアは自由シリア軍を爆撃しており、アサドに関与したまま我々と協力したがっています。我々はロシアをまったく理解しません」と反政府派の「第13師団(the Division 13)」アフマド・サオウド中佐(Lieutenant Colonel Ahmad Saoud)は言いました。

 シリア国家連合のサミル・ナスハル(Samir Nashar)は空爆の80%が自由シリア軍を攻撃していると言いました。「自由シリア軍を支援したいというより、爆撃するのを止めるべきです」。


 記事は一部を紹介しました。

 一見したところでは、ロシアの提案は馬鹿げています。自由シリア軍が拒否するのは目に見えています。しかし、ロシアにとっては重要な駆け引きの一環です。拒否されるのを承知で提案して、後で「我々が協力を申し出たのに彼らは拒否した」と言うために、あえて公言しているのです。これは冷戦期に見られた外交手法です。狡猾なロシア外交がクリミア併合以来復活していることを知らなければなりません。

 こんなロシアを相手に、日本の外務省はプーチン大統領訪日へ向けて努力しています。おもてなしで外交問題を解決しようと、真剣に考えています。馬鹿馬鹿しくて見ていられません。

 


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