シリアに関してロシアとの協力は不可能か

2015.10.6


 alarabiya.netによれば、トルコ政府は月曜日、ロシア大使にロシア軍機がトルコ領空を侵害したことに抗議し、ロシアからはミスであり、二度と起きないと回答を受けました。

 NATO軍で2番目に大きな軍を持つトルコは、土曜日にロシア軍機がハタイ州(Hatay)近くの空域に入った後でF-16を緊急発進させたと、トルコ外務省は言いました。2番目の事件では、ロシアとシリア両方が使うMiG-29が、トルコのF-16が日曜日に国境をパトロール中にレーダーでロックオンされたと言いました。

 alarabiya.netによれば、NATO軍はロシアに木曜日、シリアのイスラム国に対する軍事作戦に集中するよう言いました。

 声明はトルコ空域への侵略は極度に危険だと言い、ロシア政府にシリア人の陣地と民間人を攻撃するのを止めるよう要請しました。「同盟国はトルコ主権の空域への侵害を強く非難し、NATO空域への侵略を非難します。同盟国はそうした無責任な行為が極度に危険だとも指摘します」。


 記事は一部を紹介しました。

 ロシア軍機がトルコ軍機に威嚇を行ったのは、自分たちの行動を邪魔するなとの警告です。攻撃する意図はなくても、態度で示すことで、細かい領域侵犯についてトルコに文句を言わせないための行動です。従って、ロシア外務省の見解とは異なり、また起きる可能性があります。ロシア軍はトルコと事を構える意図はないものの、トルコから一々とやかく言われたくないという考えは持っています。

 つまり、イスラム国というテロ組織を各国との共同作戦で駆逐したいのではなく、アサド政権を守るという自国の政治目的を達成したいだけです。ロシアは極度に自国の利益にこだわる傾向があります。第2次世界大戦末期、アドルフ・ヒトラーの死体を思われるものを回収しながら、自国が確認するためだけに用い、その事実を世界に知らせませんでした。今やっているのは、それと同じです。

 先週の話のようですが、NATO軍からもロシアに警告が発せされていました。こうした環境は非常に不安です。テロ組織が勃興する中、大国同士の関係が急速に悪化しています。まるで第2次世界大戦前夜のようです。当時も、日本にとっての「テロリスト」である中国人ゲリラが存在し、それに対処するために派遣した日本軍に関して、日本政府と国際社会の見解が分かれ、最終的に大国同士の戦争となったのです。この紛争の構造をいま、我々は思い出すべきなのでしょう。

 あと何回か状況がひっくり返った辺りで大きな戦争が起きる可能性も考えるべきかも知れません。トルコとロシアが偶発的に戦闘状態に陥れば、NATO軍は集団的自衛権を発動して、ロシアと戦闘状態に入ります。その結果、NATOのメンバーである米軍も戦闘に参加し、最終的に日本が集団的自衛権を発動して、自衛隊が派遣されるという可能性があります。外務省はトルコ政府と状況について情報収集をしているでしょうか?。多分、何もやっていないでしょう。こういうレベルで日本は戦争に巻き込まれていくのかも知れません。

 


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