日本人を殺害したイスラム国兵士が死亡か

2015.11.13


 mirror.co.ukによれば、米軍はシリアで行ったジハーディ・ジョン(Jihadi John)を狙った空爆がイスラム国の「怪物」を殺したと確信しています。

 米国防総省はシリアで行われた軍事行動で過激派が死んだかを評価していますが、高官筋はCNNに対して彼が死んだと考えると言いました。

 2014年4月、モハメッド・エムワジ(Mohammed Emwazi)は米ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー(James Foley)を斬首するビデオ映像で悪名を得ました。この英国人はイギリス人の人質、アラン・ヘニング(Alan Henning)、デビッド・ヘインズ(David Haines)、アメリカ人ジャーナリストのスティーブン・ソトロフ(Steven Sotloff)、支援活動家のアブドル・ラーマン・カッシグ(Abdul-Rahman Kassig)、日本人ジャーナリスト後藤健二、湯川春菜が殺されるビデオにも登場しました。

 消息筋はABCニュースに、ジハーディ・ジョンは車に乗り込んだ時に排除されたといいました。彼がラッカの通りにある建物を出た時に空爆が行われたものと理解されます。

 alarabiya.netによれば、エムワジが死んだかどうかは不明のままです。


 記事は一部を紹介しました。

 ジハーディ・ジョンの生死が不明というのは、爆撃時の映像しか証拠がないということでしょう。死体を回収して調べたわけではないものの、攻撃時の映像ではミサイルが目標に命中したことが確認できるということです。問題は、車に本当にジョンが乗ったかどうかが確認できていないことです。建物に入った男たちが出てきたので、その中にもジョンがいたはずだということです。

 「ヒゲの隊長」こと佐藤正久衆議院議員なら「これが集団的自衛権の利点。互いに守り会うことが大事。今度は日本がお返しをしなくては」と言うかもしれません。

 しかし、米軍としては、諜報によって得た情報を元に「イスラム国の宣伝塔」を攻撃するのは当然です。これは利益が一致しただけの話で、アメリカにとっても殺された自国民に対する報復という目的がありました。

 また、対イスラム国の戦いにおいては、こうした報復は大した進展を意味しません。これで戦いが有利になることもありません。すでにジョンは長期間表舞台に立っていませんでした。これは見せしめのために処刑するという彼らの戦略が変化した可能性を示唆しています。効果としては、今後はジョンによる処刑はないということです。別の者が処刑を復活させる可能性はあり、その際にジョンの死を利用して、「この処刑は彼の死に対する報復だ」と述べて宣伝効果を高める可能性もあります。

 報復の輪の中に自分から入ることが危険なことは、古来、言われているとおりでもあります。

 


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