ロシア機墜落にテロの可能性は低い
alarabiya.netによれば、ロシア政府はイスラム国によるシナイ半島でロシア航空機を撃墜したとの主張を疑問視しました。
マクシム・ソコロフ運輸大臣(transport minister Maksim Sokolov)は「この情報は正確とは考えられません」と言いました。「我々はエジプトの同業者と航空当局と密接に接触しています。現時点で、そのようなほのめかしを確認する情報はありません」。
エジプトのシェリフ・イスマエル首相(Prime Minister Sherif Ismail)とヒザム・ザーゾウ観光大臣(Tourism Minister Hisham Zaazou)は10月31日にエジプト北部エル・アリシュ市(El Arish)の近くの中央シナイに墜落したロシア航空機を調査します。
土曜日、エジプトはロシア航空機からブラックボックスを回収しました。「ブラックボックスを機体後部から回収し、専門家によって分析に送られました」とイスマイル首相は言い、墜落現場から129人の遺体を回収したと付け加えました。
ブランド名「メトロジェット」のコガリムアビア航空の乗客224人が乗るエアバスA321は土曜日、巡航高度付近でレーダーから消えた直後、シナイ半島の山岳地帯に墜落し、全員が死亡しました。
首相はブラックボックスを解析するまでは墜落原因を特定するのは不可能だが、不法行為が原因とは考えられないと言いました。
シナイ半島で活動するイスラム国傘下のグループが、シリアでの民兵に対する空爆の報復として航空機を撃墜したと犯行声明を出しました。「カリフの兵士がシナイでロシア機を撃墜するのに成功しました」と声明は言いました。
軍事専門家数名は、シナイ半島のイスラム国民兵は高度30,000フィート(9,144m)の航空機を撃墜できるミサイルを持っていないだろうと言いました。しかし、航空機に爆弾が仕掛けられたり、技術的な問題で高度を失った時にロケットやミサイルで攻撃した可能性はあると言いました。
エアバスA321-20は2つに分裂したとされます。死体は座席にシートベルトをした形で見つかりました。
匿名を希望したエジプト治安当局者は、少なくとも100人の遺体を取り出したものの、残りはまだ中にあると言いました。初動で、エジプト救助チームは機体から声を聞いたとされ、一部がまだ生きているとの希望を呼びました。
乗客の大半はロシア人観光客と考えられています。ウラジーミル・プーチン大統領(President Vladimir Putin)はロシアの救助チームに現場に行くよう命じ、エジプトの検事総長は調査を命じました。
ロシア当局はコガリムアビア航空のモスクワ事務所の捜索を開始し、書類を押収したとロシア国営テレビは報じました。
プーチン大統領は事故後に服喪を宣言しました。
コガリムアビア航空は墜落原因がヒューマンエラーだとの主張の根拠が分からないと言いました。
航空会社の広報はパイロットが12,000時間の飛行経験を持っていて、完全に整備されていたと言いました。
金曜日早く、エジプト航空管制は航空機が紅海のリゾート地、シャーム・エル・シェイク(Sharm el-Sheikh)からロシアに向けて離陸した直後に連絡を失いました。航空機はレーダーから消えた時、高度31,000フィートでした。
記事は一部を紹介しました。
Facebookに昨日私が書いたのと同じことが書かれています。ミサイルで撃墜した可能性は低く、爆弾などの攻撃くらいしかテロ攻撃を成功させる方法はありません。
テロ組織が民間機を狙う事件が起きており、どの国もその管理を厳重にしています。ランチャーとミサイルを別の場所に保管するなどの手段が講じられているはずです。携帯型の地対空ミサイルは精々高度5,000mくらいまでしか撃てませんし、それより大型のミサイルはまず入手できません。あり得るとしたら、爆弾による攻撃が有力です。恐怖を演出するために撃墜したと声明したのかも知れません。
パイロットが緊急事態を宣言せず、乗客がシートベルトをした状態だったのなら、シートベルトを外す許可が出る前に墜落が起きたと考えられます。巡航高度に入る前か直後くらいに何かの理由で機体が分裂したのです。
毎日新聞が、墜落現場から約30キロ離れた地域にいた遊牧民の男性らが黒煙を上げながら飛行する機体を目撃。同機は約2分間飛び続けた後に落下し、墜落現場周辺から炎が上がったと書いています。実際には飛んでいたのではなく、墜落しているのを目撃したのでしょう。30kmも離れていたら明瞭には見えないはずです。
記事と写真から考えると、分裂した機体の前方部分は乗客を乗せたまま墜落し、後部は乗客が機外に放り出され、広い範囲に落下したみたいです。発火したとの見方もあるようです。爆弾によるテロ攻撃と積み荷の火災は、詳しい調査を経ないと区別できません。
テロ組織は常にプロパガンダ戦を仕掛けて来ます。注意しないといけません。余談ながら、日本ではテロ組織ではなく日本政府が国民に情報戦を仕掛けているのは問題ですが。
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