トルコ首相がロシアがシリア北部で民族浄化と非難
シリアにおけるロシアの空爆に関する記事を3つ紹介します。
alarabiya.netによれば、トルコのアフメト・ダウトオール首相(Ahmet Davutoglu)はロシアがシリア北部で民族浄化を行っていると非難し、この地域での軍事的利益を守るためにロシア政府が地元のトルクメン人とスンニ派イスラム教徒を追い出そうとしていると言いました。
ダウトオール首相のコメントはロシア政府とトルコ政府の関係をさらに悪化させかねません。「ロシアは北部のラタキア州(Latakia)でシリア政府と折り合いの悪いトルクメン人とスンニ派を追い出すために民族浄化をしようとしています」「ロシア人は彼らを追い出したがっています。ラタキア州とタートス州(Tartus)シリア軍とロシア軍の基地を守るため、彼らはこの地域で民族浄化をしたがっています」。
ダウトオール首相はロシアのシリア北西部、アザズ(Azaz)周辺での爆撃はアサド大統領に対抗するシリア人グループの補給路を遮断することを狙っていると言いました。ロシア政府とトルコ政府は繰り返し、互いにイスラム国を支援していると非難しています。両国とも批判を否定します。
alarabiya.netによれば、シリアにおけるロシアの空爆は30%しかイスラム国を狙っておらず、残りは民兵の傘下ではない反政府派を狙っていると米高官が水曜日に言いました。
オバマ大統領の対イスラム国連合特使、ベレット・マクグーク(Brett McGurk)は「シリアでのロシアの空爆はもともと(イスラム国を)攻撃していません」とバグダッドでの記者会見で言いました。「数字を言うなら約30%が実際にイスラム国を攻撃し、残りの空爆はその傘下にないその他の反政府グループを攻撃しています」。
alarabiya.netによれば、ロシア国防省はシリアで追加の空軍基地を展開しようとしていないと、RIA通信社が国防省報道官が水曜日に述べたことに言及しました。
イゴール・コナシェンコフ(Igor Konashenkov)は、シリアの軍参謀は12月6日にデリゾール(Deir al Zor)でシリア軍陣地を西欧の同盟国の軍用機が空爆を行った証拠を持っているとも言いました。
先週、ロシア軍はシャイラト(Shaayrat)で基地を拡充していると報じられました。
記事は一部を紹介しました。
ダウトオール首相の発言はこの状況でかなり厳しいものです。戦争はこんなものかもしれませんが、対立する国はまるで正反対のことを言います。皮肉なことに、第2次世界大戦の教訓から構築された国際平和の概念が戦争のために利用されている形です。ロシアはイスラム国を攻撃していると主張しますが、アメリカの見方では30%しかイスラム国を狙っていないと言います。総合的に見ると、トルコの主張が妥当に思えます。しかし、ロシアは批判を決して認めないでしょう。彼らはデリゾールでの誤爆事件もからめて批判をかわそうとします。
もはや、単なる対テロ戦ではなく、国家間の争いに姿が変わっています。こうした積み重ねが将来的に世界的な戦争の危機を招くのが心配です。現在はまったくそうした状態ではありませんが、いずれそうなる可能性はあります。そして、それは我々が原因というよりはテロリストの狙いです。国際常識に照らせば、各国が協力してテロ組織と戦うべきなのに、国家間の国益に関する思惑が、我々同士を争わせているのです。相手がテロリストだけでなく、協力し合うべき国家と争っているのです。このまま行くと、モラルが崩壊して、一線を越えるかもしれません。第3次世界大戦の危険をいまから考えておくべきです。
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