トルコ軍教官がイスラム国の攻撃で負傷
alarabiya.netによれば、イスラム国が水曜日、イラクにある過激派と戦う戦闘員用の訓練基地を攻撃し、イラク人スンニ派戦闘員3人とを殺し、彼らのトルコ人教官10人を負傷させました。
ニナーワー州(Ninevah)の元知事、アシール・アル・ヌジャイフィ(Atheel al-Nujaifi)は、イスラム国が支配するモスル(Mosul)に近いバアシーカ地域(Bashiqa・kmzファイルはこちら)にある基地は水曜日に迫撃砲の4時間砲火を受け、砲撃は続いていると言いました。
トルコ軍は基地はクルド人のペシュ・メルガ(peshmerga)との戦いの間にイスラム国が放ったカチューシャ砲で攻撃されたと言いました。トルコ軍砲兵隊がイスラム国に報復攻撃をしましたが、トルコ軍の対応についてさらに詳細は提供しませんでした。攻撃でトルコ兵を含む10人が負傷したと基地の公報、マクムード・スルチ(Makhmoud Surchi)は言いました。攻撃を受けた時、基地では1,000人以上の戦闘員が訓練を受けていました。
攻撃はイラク政府から激しい圧力の下にあるトルコ軍が、イスラム国の脅威をあげて基地に送った、人数不明の増援を引き揚げさせられた数日後に起こりました。トルコはバアシーカに昨年来、クルド人とスンニ派の部隊を訓練するのを支援するため教官を配置しましたが、今月早くに増援が到着したことが、彼らの即時撤退を求めるイラク政府との間に騒動を引き起こしました。トルコはイスラム国が基地を攻撃する可能性があるとの情報を受け取った後に増援を送ったと主張しました。トルコ軍の声明は負傷兵4人はイラク国境に近いトルコの病院に避難したといいました。誰も命を脅かされる状態にはありません。
記事は一部を紹介しました。
先日、トルコ軍の戦車がこの基地に配置され、イラク政府が主権侵害だと批判したばかりでした。この時の報道では基地の位置は分かりませんでしたが、地名が出たので調べたところ、モスルの北東に同じ名前の街があることが分かりました。この街の南端付近、街を通過する幹線道路の南側に軍施設がありますので、多分、ここでしょう。
問題はこの基地のモスルからの距離です。一番近いところで約13kmしかありません。しかも、幹線道路でほぼ一直線につながっています。イスラム国の支配地域の目の前に訓練基地があるなんて信じられません。近すぎます。
これではトルコの主張を否定することはできません。自衛のために戦車を配置するのはやむを得ません。戦車をあまり活用できないイスラム国相手には、戦車は強力な防衛兵器となります。トルコのイラクに対する信頼感は失せてしまったでしょう。
もともと、トルコ政府は戦車を入国させる前にイラク政府と協議すべきでしたが、結果を見ると、トルコの判断が正しかった訳です。トルコ政府は改めて戦車の入国をイラク政府に求めるのでしょうか。それとも、イラク政府から許可を出すのでしょうか。
いつものこととはいえ、対テロ戦で起きることは、国家同士の戦争と違い、戸惑わされます。
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