ロシア軍がシリア北部で誤爆
alarabiya.netによれば、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」は金曜日にシリア北部でロシアの空爆が民間人46人(大半が女性と子供)を殺害したと言いました。
ラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)は軍用機が木曜日にアザズ(Azaz)とアル・バブ(Al-Bab)、ラッカ(Raqa)を爆撃したと言いました。死者の中には子供6人と女性11人がおり、大勢が負傷しました。犠牲者には救助要員2人を含みましたが、攻撃を受けた3つの地域の中で民兵は殺されませんでした。
北西部のイドリブ州(Idlib)では、ロシア軍機によるとみられるジシュア・アル・シュウア(Jisr al-Shughur)への空爆が少なくとも14人(子供7人、女性7人)を殺したとアブドル・ラーマンは言いました。街はイスラム主義反政府派が支配しています。
ロシア軍はここ3ヵ月間、シリア全土で武装した反政府グループに対して激しい航空戦を実施していました。過激派ではないグループを狙い、民間人の犠牲を招くため、西欧諸国と反政府派は空爆を批判してきました。
人権団体は、航空機と使用した武器のタイプ、航空機がシリア国内から離陸したかどうかを示す飛行パターンを元にしてシリア、ロシア両軍と米主導の同盟国の航空機が行う攻撃を区別するといいます。団体は戦地の活動家、病院職員、戦闘員のネットワークを通じて殺された者を特定します。
アブドル・ラーマンによると、9月30日からのロシア軍の攻撃で民間人600人以上を含む約1,900人が死亡しました。死者総計にはイスラム国戦闘員526人とその他の反政府派739人を含みます。
記事は一部を紹介しました。
ロシア軍による空爆の被害が拡大しています。
また、人権団体「the Syrian Observatory for Human Rights」について調べてみると、現在、一人で運営しているとのことで、本業の傍ら活動しているようです。アブドル・ラーマンは仮名で、本名はオサマ・スレイマン(Osama Suleiman)です。また、ウィキペディアには運営者に対する批判も書かれています(該当ページはこちら)。英語版の記事にはさらに複雑な話があります。しかし、西欧のメディアは他に情報がないため、彼の情報に頼らざるを得ないとも。ロシア政府が信用ならないと公言したのは、このためのようです。
航空機と使用した武器のタイプ、航空機がシリア国内から離陸したかどうかを示す飛行パターンを根拠とする判定方法は当然、幾分不正確です。まず、目撃者の話が正確かどうかが問題です。飛んでいる飛行機の形を判別するのは困難です。武器のタイプはもう少し分かりやすいでしょう。精密誘導爆弾なら1発か2発しか撃ちません。複数の弾着が一列に並んだら、ロシアが使う自由落下型爆弾です。よく分からないのは離陸場所の特定です。爆撃した航空機がどこから飛んだかどうやって判定するのでしょう?。
一人で送られた情報の分析と英語版とアラビア語版のサイトを管理するには毎日数時間を要します。本当に一人でやっているのかが気になります。それも遠隔地から提供された情報をまとめるわけですから、間違いは起こりやすいでしょう。
それでも、ここの情報に頼るしかないのが現状です。ロシア軍の誤爆に関しては現地からも確認が取れることがあります。一定の誤差を予測しながら記事を読むしかありません。
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